カシオ計算機は電子ピアノや電子キーボードといった電子楽器を手がけており、楽器事業は2020年で40周年を迎えた。この節目に、カシオはインターネット調査会社による「楽器演奏に関する意識調査」を実施、結果を公開した。調査の対象は、2019年7月から2020年7月までの1年間で楽器を新たに始めた人、または1年以上のブランクから楽器を再開した人、15歳から69歳までの男女だ(1,030人)。
調査対象の期間中に楽器を開始・再開したユーザーの約25%は、2020年3月~4月の外出自粛期間中に開始・再開していた。新型コロナウイルスの影響によって在宅時間が長くなったことに伴うものだろう。2019年10月の消費税引き上げ前の駆け込み需要(5.7%)や、クリスマスをはじめとする年末商戦である12月(7%)の増加割合よりも大幅に高い。
新たに楽器を始めた人と、再開した人の内訳は、前者が約40%、後者が約60%だ。気になる楽器の種類は、最も多かったのが「電子ピアノ(18.9%)」、続いて「アコースティックギター(13.12%)」、「エレキギター(12.8%)」となった。
楽器を始めた理由の第1位は「自分一人で楽しめそうだから(49%)」というもの。第2位は「以前から演奏を始めたかった・興味があった(46.5%)」で、第4位に「自由にできる時間が増えたから(37.4%)」という結果から、もともと楽器に興味があった層が、コロナ禍による自宅待機などで増えた空き時間で楽器を始めたというケースも多そうだ。実際に「コロナの影響で外出する機会が減ったから楽器を始めた(30代女性)」というコメントも見られた。
楽器を演奏する時間に対して減った時間は「テレビの視聴(27.2%)」がトップ。続いて「ネットサーフィン(14.9%)」がランクインしている。5位の「ゲーム(7.9%)」や6位の「動画の視聴(7.6%)」など、コロナ禍で増えたとされる娯楽が上位に入っているのは興味深い。
「あなたは今後も楽器の演奏を続けたいと思いますか?」という質問に対しては、約85%が「続けたい(とても続けたい・やや続けたい)」と回答したことを考えると、多くのユーザーが楽器演奏を楽しめているようだ。また、楽器を始めてみて良かった点については、「気分転換になった(69.9%)」「自分一人で楽しめた(47.6%)」「上達していくことが楽しい(42.3%)」という回答が多かった。
ちなみにカシオの電子楽器としては、世界的なピアノメーカーであるドイツのC.ベヒシュタインと共同で音色を開発した電子ピアノ「CELVIANO Grand Hybrid」がロングヒットを続けている。これはかなり本格的な電子ピアノだが、趣味で楽器を楽しむユーザーから好評なのが「光ナビゲーションキーボード」シリーズだ。鍵盤が光って演奏をナビゲートしてくれるため、初心者でも演奏しやすい。
8月27日には、光ナビゲーションキーボードの新モデルとして「LK-515」と「LK-315」が発売される。価格はオープン、推定市場価格(税込)はLK-515が34,000円前後、LK-315が23,000円前後。いずれも61鍵盤の電子キーボードで、内蔵の音色やリズムも豊富。世界の名曲、J-POP、アニメソングなども多数収録しており、鍵盤の光ナビゲーションと合わせて自分の好きな曲を楽しく演奏できる。上位モデルのLK-515はスマートフォンとも連携し、専用アプリから購入した楽曲をLK-515へ追加する機能もある。