本体のデザインは、従来機種と同様に曲線的なフォルムを引き継ぎながら、全体をマットな質感に統一して「よりまとまりのあるデザイン」とした。さらに、ヘッドバンドとイヤーカップの間にあったスキマをなくしてなめらかに見えるようにしている。
装着性も向上。重さは従来機種の255gから1g軽い、254gになっているほか、イヤーパッドを見直して耳周りへの接地面積を10%増やし、側頭部への圧力をさらに軽減。より柔らかい装着感を追求した。ヘッドバンドも頭の形に沿い、スマートなシルエットになるよう改良している。
ハウジング内の近接センサーと加速度センサーを使い、ヘッドホンの付け外しで音楽を再生停止する装着検出機能を新搭載。ヘッドホンを外すことで聞いていた音楽が一時停止し、この状態ではハウジングの操作用タッチパネルが無効化する。再度装着すると音楽再生が再開し、タッチパネルでの操作も可能になる。なお、ヘッドホンを装着しない状態で約15分放置すると、自動で電源オフになる。この機能はアプリでカスタマイズできる。
新しいスマート機能として、ヘッドホンを取り外さずに会話できる「スピーク・トゥ・チャット」を装備。WH-1000XM4を装着したユーザーの声を認識し、たとえば人に「すみません」と話しかけるだけで音楽再生を止めて消音し、外音取り込みに切り替わる。
スマートスピーカーのような特定のウェイクワードは不要。発話終了後や、任意の時間経過後にNCと音楽再生が再開する。アプリ上で声の検出感度(高感度/低感度)や、同機能が終了するまでの時間(約15秒/30秒/1分、自動終了しない)を調整できる。有線接続時も利用可能だ。
スピーク・トゥ・チャットや高品質なハンズフリー通話のために、高精度ボイスピックアップテクノロジーを新たに搭載。5つのマイクを最適に制御し、機械学習により開発した会話検知アルゴリズムが周囲の音や声から装着者の発話を区別するという。
ヘッドホンを外さずにシーンに応じて外音を取り込む機能としては、前述のスピーク・トゥ・チャット(発話時に音楽を一時停止)や、アンビエントサウンドモード(外音を聞きながら音楽再生)のほかに、周囲の音をすぐ聴きたいときにハウジングに手を被せるだけで使える「クイックアテンション」(音量を下げて再生)も備えている。
そのほか、新たに以下の2つの新機能が加わり、使い勝手を向上させている。
新しいマルチポイント接続
スマホやPCなど2台の機器と同時に接続し、シームレスに切り替えて使える新しいマルチポイント接続に対応。iOS/Androidや、Windows、macOSいずれの組み合わせでも使えるという。
従来は2台の機器と接続時は音楽プロファイル、通話プロファイル、それぞれ1台ずつ接続が可能で、たとえばスマホは通話用、PCは音楽再生用と役割を分担して使えていたが、スマホの音楽を聞きたいときや、PCで通話したいときはプロファイルを切り替えて再接続する手間がかかっていた。
WH-1000XM4では、音楽プロファイル、通話プロファイル、両方を2台に同時接続可能。どちらで音楽再生中でも、着信時には着信機器に自動で切り替わる。また、一時停止中に任意の機器で音楽を再生するだけで、音楽再生・通話の役割を切り替えることもできる。
「Google Fast Pair」に対応。紛失防止も
Android端末とワンタップペアリングを実現する「Google Fast Pair」に対応。アップルのAirPodsでは、専用チップとiCloudの登録データを活用して手軽なペアリングを実現しているが、Fast PairはGoogleアカウントとBluetoothで同等の機能を提供する。
WH-1000XM4では、ヘッドホンをペアリングモードにして、Googleアカウントに登録されたXperiaなどのスマホ(Android 6.0以降を搭載した端末)に近づけると画面に通知が現れ、それをタップするとペアリングが完了する。また、Fast Pairで接続中は、置き忘れたヘッドホンを音で見つける「デバイスを鳴らす」機能も利用できる。
NCオンで最大30時間再生、急速充電にも対応
内蔵バッテリーでの連続再生時間は、NCオンで最大30時間、NCオフで最大38時間で、従来機種と同等のロングバッテリーライフを実現(DSEE Extremeオフ、AAC接続時)。クイック充電に対応し、10分充電で約5時間再生できる。充電にはUSB Type-Cケーブルを使用する。
有線接続用に長さ1.2mのヘッドホンケーブルを同梱。ファブリック調のデザインをあしらったハードタイプのキャリングケースや、航空機用プラグアダプタも同梱する。