ラオックスは7月28日、全国24店舗のうち、北海道、東京、近畿、九州、沖縄にある計12店舗の閉店を決定したと発表した。九州・沖縄エリアからは撤退となる。新型コロナウイルスによる訪日旅行客の減少により、インバウンド事業の収益が悪化しているため。

  • 東京・秋葉原にあるラオックス 秋葉原本店

ラオックスは、1990年4月にコンピュータ専門店の1号店「ザ・コンピュータ館」を秋葉原に展開するなど、パソコン黎明期には秋葉原のランドマーク的な存在として親しまれてた。

その後同社は家電量販店から舵を切り、2009年に総合免税店1号店となる秋葉原本店を開店。訪日旅行客を見込んだインバウンド事業を主軸の1つに据えていた(2011年には中国の家電量販店・蘇寧電器グループがラオックスを子会社化している)。

同社は今回、「顧客である中国からの訪日旅行客が入国できない状況に加え、中国以外の国からの訪日旅行客の回復も目途が立っていない状況」だとし、より一層のコスト削減とキャッシュフロー改善を図るため、一部店舗の閉鎖を決定した。

閉鎖店舗は、北海道3店舗、東京1店舗、近畿1店舗、九州6店舗、沖縄1店舗。九州・沖縄からは撤退となる。閉店時期は、詳細が決まったのちに公表する。対象店舗の閉店により、地代家賃や物流費、広告費などの大幅削減が見込まれ、キャッシュフローは大きく改善する見通しという。

  • 秋葉原・中央通りの歩行者天国も歩行者はまばら(2020年7月中旬)。同地区の歩行者天国は新型コロナや天候の影響などで3月29日から中止していたが、7月12日に再開された