トラックポイントのメリットをがっつり訴求したい

ThinkPadユーザーは、総じて「キーボードにおいた手を動かすことなく使えるポインティングデバイス」としてトラックポイントの使い勝手を高く評価している。しかし、残念ながら現在におけるトラックポイントユーザーは少数派といっていい。ユーザーの中には「そもそもトラックポイントを触ったことがない人もいますし、使いかたも分からない人もいるのが悩みの種」(上野氏)という。

  • トラックポイントは慣れるとすごく便利なポインティングデバイスではあるものの、訴求が足りない?

このような状況において、TTPK II(そして、ThinkPadシリーズそのものの)が搭載するトラックポイントのメリットを訴求する必要がある。Lenovoもその必要性を認識しており、米国Lenovoが動画コンテンツを用意している(ただし英語版)。上野氏は、日本語でもトラックポイントの使い方を説明するチュートリアルコンテンツを作るべく調整中であることを明らかにしている。「英語版は“さらっ”と説明していますが、日本語版では、どのようなメリットがあってどのように使うのかを説明する内容にしたいです。トラックポイントのメリットはキーボードから手を動かさずに使えること。マウスのようにキーボードから手を動かして使うデバイスは、生産性に関して明らかにマイナスになります」(上野氏)

余談になるが、TTPK IIはThinkPad Tシリーズ14型2019年モデル(T490、T495など)のキーボードユニットをベースとしている。Tシリーズをベースにする理由について上野氏は、使い勝手に影響するサイズ的に14型ディスプレイを搭載したThinkPadが望ましく、かつ、コスト的にThinkPad X1 CarbonよりThinkPad Tシリーズが望ましいから、と説明している。なお、ノートPCと異なりデスクトップPCで使うことが多い外付けキーボードではバックライトの需要がそれほど高くなく、そのため、TTPK IIではバックライトを搭載しなかったという。

また、外付けキーボードのバリエーション展開(例えば、もっとストロークが深いモデルや、メカニカルキーボードなど)の可能性については、「TTPK IIが爆発的に売れて、作るキーボードも爆発的に売れる可能性があるならば」としている。「すっぽんのように食らいついて離さないのが私の特徴なので。本部もしつこいと思っているようです」(上野氏)