愛知県がんセンターとNECは7月6日、AIと実験免疫学の融合により、がん抗原同定システムの構築と治療選択バイオマーカーの開発を行い、個別化がん免疫療法の臨床応用に繋げることを目的とした基礎的共同研究を開始すると発表した。
同研究では、同社がこれまで取り組んできたAIによる患者一人ひとりの遺伝子変異由来のがん抗原(ネオアンチゲン)予測技術と、愛知県がんセンターの持つT細胞を用いたネオアンチゲンのスクリーニング技術により、ワクチンに使用可能なネオアンチゲンを同定する。将来的には、得られた質の高いがん抗原データを使用し、より精度の高いネオアンチゲン予測システムの開発を目指すとしている。
また、患者一人ひとりにおける腫瘍内の免疫微小環境を包括的に解析し、同センターが保有する臨床情報とゲノムシーケンスで得られる遺伝子変異や遺伝子発現情報、そして上記の実験免疫学的手法で得られたデータなどから、AIを活用して免疫療法の治療選択に有効なバイオマーカーを開発するという。
今後愛知県がんセンターは、同研究によって得られる成果を活用し、がん免疫療法の臨床試験に繋げ、愛知がんセンター病院でがん免疫治療を実施し、愛知県がんセンター研究所でその附随研究を実施する方針だ。