ROBOT PAYMENTは7月2日、freee・ランサーズ・マネーフォワードといった賛同企業51社と共に経理の「紙の請求書処理業務」をなくすため、請求書の電子化を推進するプロジェクト「日本の経理をもっと自由に」を発足・始動した。

  • プロジェクト賛同企業51社(7月2日現在)

ROBOT PAYMENT 代表取締役社長 清久健也氏は「緊急事態宣言により、全国的にテレワークが浸透したが、紙の請求書の作成や押印、発送・受け取りのために約7割の経理が出社せざるを得ない状況に陥った。これは、緊急事態宣言で浮き彫りになっただけで、コロナ以前から続く根本的な経理の働き方における課題だと考えている。日本はこれを機に経理の働き方を大きく変え、経理の声を届けなければならない。そういった思いをもって今回のプロジェクトを立ち上げた。『経理をもっと自由に』プロジェクトで、日本企業の成長を支えながら経理のポテンシャルを最大限に引き出し、経理の地位向上に貢献していきたい」とプロジェクト発足の背景を語った。

  • ROBOT PAYMENT 代表取締役社長 清久健也氏

無駄な紙の請求書をなくす

10月1日に施行される「電子帳簿保存法改正」により、企業における紙ベースの文書保存の要件が緩和され、よりペーパーレスな経理業務が可能なる。ただし、請求書は、取引先も電子化が進まなければ、完全な電子化は実現しない。そこで同社は、プロジェクトの第1弾として、「#さよなら紙の請求書」を掲げ、「紙の請求書の電子化」を推進するという。

具体的な取り組みとして、さらに多くの賛同企業の募集(最低合計100社)や経済産業省への働きかけをするための個人の署名活動を行うという。

ROBOT PAYMENT 執行役員 フィナンシャルクラウド事業部長 藤田 豪人氏は「企業のDX化を推進している経済産業省に個人署名を提出することで、中小企業向けのガイドラインの策定など、請求書の電子化をより推進しやすい環境を作る働きかけにつながる」とし、1万件の個人署名を目指している。

  • ROBOT PAYMENT 執行役員 フィナンシャルクラウド事業部長 藤田 豪人氏

また、経理の新しい働き方を世の中へ発信するためのインタビュー動画の配信、賛同企業に対する請求管理ロボの導入費用無償化も行う方針だという。

現在、請求書電子化サービスの導入率は約34.2%(※1)という状況だが、同プロジェクトを通して、約50%以上の企業が請求書電子化サービスを導入している状況を目指すとのことだ。

緊急事態宣言下における経理の現状

  • 緊急事態宣言時における経理のテレワーク実施割合 ROBOT PAYMENT調べ

  • 緊急事態宣言時における経理のテレワーク平均日数 ROBOT PAYMENT調べ

経理の仕事は、企業経営にとって必要不可欠にも関わらず、紙ベースの作業や月末月初の業務の偏り、ルーティンワークなど、改善すべき業務が多くある。同社の「緊急事態宣言下における働き方と電子化推進に関するアンケート調査結果(※2)」によると、約7割の経理は出社せざるを得ない状況にあり、テレワークを実施できた日数は平均1.4日/週だったという。

  • テレワークの阻害要因 ROBOT PAYMENT調べ

  • 紙の請求書業務は電子化されるべきと考える経理の割合 ROBOT PAYMENT調べ

また、経理のテレワークを阻害した要因に対しての回答は、「紙の請求書処理」が最も多く、「請求書業務」を電子化するべきだと回答した経理は約9割と全国で約184万人いること推定された(※3)。

  • 経理の勤務先へのIT導入への働きかけ ROBOT PAYMENT調べ

さらに、紙の請求書業務の電子化を進めるよう、勤務先にIT導入をお願いした経理は推定約30万人(※3)と、14.4%しかいなかった。また勤務先にお願いしたにもかかわらず、紙の請求書業務の電子化が進まなかった経理は64.6%と3人に2人の経理の要望が通らなかったことが明らかとなった。

藤田氏は「アンケート結果で、緊急事態宣言下でテレワーク出来なかった経理のうち2~3割が転職や退職を考えていることが分かった。請求書処理の紙ベースが変わらない限り転職しても同じことの繰り返しになる。根本的な問題を解決し、たくさんの声を集めて経理の働き方の流れを変えていきたい」としている。

(※1)現職の経理担当者の方500名に行った、「経理業務効率化のためにしていること」のアンケート(経理プラス編集部調べ)
(※2)
日時:2020年6月13日(土)~2020年6月15日(月)
性別:男女
年齢:20歳以上
地域:全国
その他:正社員、経理担当者
サンプル数:1000ss
(※3)日本の経理担当者の数を約208万人と推定した場合、2019年の労働力調査をもとにウェイトバック集計を実施