リモートワークの専門サイトの情報サイト米Remote.coが「5 Things Remote Employees Need for a Productive Career」として、生産性アップの在宅勤務のポイントを5つ挙げているので紹介しよう。

Remote.coは、オンライン求人市場での20年以上の経験を持つSara SuttonさんがCEOを務めるリモートワーク専用の情報サイト。米国のリモートワーク中心の求人サイトFlexJobsを立ち上げた女性CEOとしても知られており、リモートでの仕事が、従業員と雇用主、地域経済やコミュニティ、家族や環境に対しての効果的な働き方であることをコロナ禍以前よりアピールしている。リモートワークやテレワークの良い点、悪い点の情報も集積するであろう同誌の記事「5 Things Remote Employees Need for a Productive Career」では、いかに在宅勤務で生産性を上げるかの5つをピックアップしている。2019年の記事だが、ウィズコロナやアフターコロナにおいても活かせるピックアップだ。フリーランスのKayla Matthewsさんが寄稿している。記事が示す在宅勤務の成功のポイントは以下の5つ。

1.A Time Management System(時間管理)
2.Networking Opportunities(ネットワーキング)
3.Responsiveness(応答)
4.Flexibility(柔軟性)
5.Technology(技術)

筆者が気になったのは時間管理。よくよくオフィスフロアでの業務を思い起こすと部署によっては、割込みで入ってくるタスクが重要なポジションを占める業務がある。口頭や手渡しで回ってくる緊急性の高いタスクになるケースが多く、これが遠隔になるとそれぞれのトリガーごとに遅延が生じる。

 ・対面でのやりとり
 伝達する側の手渡し・口頭での説明 ≒ 受ける側の理解、タスク行動の開始

 ・遠隔メッセージツールでのやりとり
 伝達する側のメッセージ入力 → 送受信 → 受ける側の閲覧 → 受ける側の理解、タスク行動の開始

という具合にメッセージツールでは必ずしもリアルタイムにならないことがある。しかもテキストでのやり取りでは、メール同様にアウトプットする側のわかりやすい的確な文書(テキスト)での伝達が必要になる。そうでなければ、質問と説明の応酬が延々と繰り返されることになりかねない。タスクの伝達の往来が多い業務では、リモートで起こるこれらのロスが大きな時間を占めてしまう。

チャットツールなどでは、ポップアップや目立つ目印、音でメッセージの通知を行ってくれる場合がほとんどだが、別のタスクに集中していると気が付かない。時間感覚が周囲とともに動く職場であればこなせたことが、自宅では時間の配分がうまくいかないケースもある。また、自律的に行動できなければ、ボーっとする時間やテレビなどの誘惑に負けてしまうこともあるのではないだろうか。多くの書籍で紹介されている時間活用術では、メモやカード、マインドマップなどを駆使しているが、これらは自律的な行動を促す意味もある。時間の管理が生産性向上の重要な要素になるのだ。

記事では、個人における時間管理ツールの導入を薦めている。シンプルにスマートフォンのタイマー機能で時間を区切ること、Apple watchのボイスコマンドやクイックリマインダーのようなスマートウオッチが持つ機能、チームで使えるサービスとして「Time Doctor」、「Tick」や「Hubstaff」などを紹介している。タスク管理やスケジュール管理ツールは個人で使えるものから企業ベースでのものを含め多様なツールがある。機能的に小さな違いに見えても、自身の職種や業務に照らし合わせるとフィットが全く異なることも多い。自身の環境にジャストフィットなツールを選択することが、快適なリモートワークやテレワークへの近道なのかもしれない。