FileMaker Cloudは初めてのユーザーもシンプルに使える製品

-- 先ほどもお話がありましたが、日本でもFileMaker Cloudを利用できるようになりました。FileMaker Cloudの位置づけは?

フライターグ 長期的に見れば、クラウドがおそらく主流になるでしょう。オンプレミスでもクラウドでもこれまで以上に幅広いお客様に使っていただける製品になっていますが、特にFileMaker Cloudはオープンプラットフォームとして初めてアプリを作る方にもシンプルに使っていただける製品です。

-- 既存のユーザーの移行というよりは、新規のユーザーがFileMaker Cloudを多く利用する見込みということでしょうか。

フライターグ それはどちらもあると思います。既存のお客様でも、そろそろクラウドに移行したいという方々も出てきています。一方、これから使う方は最初からクラウドでと考えているケースも多いですね。

初めてのユーザーにも既存のユーザーにも積極的にアプローチしていく

-- 製品ラインナップが変わり、これまでクラリス製品を使ったことがない人たちにアプローチしていく必要があるのではないかと思いますが、どのようなことを考えていますか?

フライターグ 4月に米国本社のマーケティング担当バイスプレジデントに、ブランドストラテジーに長けているブリッタ・マイヤー・ロックが就任しました。彼女は、初めての方にも簡単にアプリが作れるというメッセージを明確化し、そこに投資すると言っています。初めてのユーザーの方々に、すべてのステップでクラリスが支援するということを広く伝えていきます。

-- それに対し、既存のユーザーへのアプローチはいかがでしょうか。

フライターグ カレンダーイヤーの2020年、私たちのミッションの第1位は既存のコミュニティへの積極的な投資です。スキルを引き上げ、新しいテクノロジーをどんどん取り入れていくという私たちのビジョンをお伝えしています。私たちが長期的に成功するには既存のコミュニティの力がとても重要ですので、しっかりサポートしていきます。学習リソースとして新しい「Clarisアカデミー」を提供するほか、カスタマーサクセスストーリーやお客様の声なども紹介し、コミュニケーションの頻度を上げてオープンに話をしていきます。

-- 製品ラインナップが変わったことによる収益の変化をどう見ていますか?

フライターグ FIleMakerは引き続き、最も大きな製品です。Claris Connectは、もちろん今後売上面でプラスになるとは思いますが、むしろより多くのお客様にリーチすることに寄与すると思います。そして、今後リリースする予定の「Claris Next Gen」と仮の名前で呼んでいるインテリジェントオートメーションが、売上を大きく引っぱっていくと考えています。この製品で私たちがこれまで取り組んできたことの「いいとこどり」をして、既存のマーケットだけでなく新しいマーケットに対しても働きかけができると思います。

  • Clarisプラットフォームの概念図。この中にある「Claris Next Gen」については、フライターグ氏の発言にあるよう、現時点では仮称となっている

-- ユーザーが最近の大きな変化をキャッチアップするためにイベントやセミナーなどは重要な役割があると思いますが、これらには今後変化があるでしょうか?

フライターグ もともとはさまざまなイベントを大々的に実施しようと計画していましたが、新型コロナウイルスの影響で変更せざるを得なくなりました。しかし対人型のイベントはコミュニティを強化する上で大事だと考えているので、感染拡大が収束したら再開したいと思います。

-- クラリス製品はユーザーにとってどんな意味があるか、あらためてお話しください。

フライターグ 今回リリースするプラットフォームは、開発者やユーザーにとってこれまでで最も身近な存在になると思っています。開発者やユーザーの皆さんは、素晴らしいスキルを持っています。これまで取り組んできたことに自信と誇りを持っていただきたいと思っています。私たちはJavaScriptを活用してモダナイズに寄与できることを啓蒙していきます。また、クラウドでもオンプレミスでもモダンでセキュアなアプリを構築できます。

日本でもオンライントレーニングやマーケットプレイスの充実などが図ら}れている {#id6

-- 日本独自の動向があれば教えてください。

日比野 Claris Connectのコネクタとして日本企業のクラウドサインとChatworkが追加されました。パートナーとのミーティングを続け、要望を聞いていますので、今後もさらに日本に特化したアプリが出てくる予定です。これによって、FileMakerを使っているかどうかに関わらず、多くの企業がクラリスのプラットフォームのClaris Connectを利用してプロセスの改善を実現できるようになっていくと思います。 新型コロナウイルスの影響により、多くの企業でワークフローが電子化されて印鑑や紙の書類がなくなるなどの変化があり、特に現場参加型のアジャイル開発が重要という認識が広がっています。そのような状況の中で、私たちはデジタルトランスフォーメーションを推進する支援をしていきたいと考えています。具体的にはオンラインでのトレーニングコンテンツや、新しいプロダクトに関する日本語のマテリアルの提供などです。

  • クラリス・ジャパン
    North Asia Sales Director
    日比野 暢氏

荒地 これまでオフラインで実施していたイベントやセミナーは、クラリス主催のものだけでなく、パートナーのものもオンラインに移行しています。特に新バージョンのリリース直後は、頻繁にオンラインで学習できると思います。 それから、昨年の夏に英語版でスタートしたClaris Maketplaceは、今年1月に日本語版を公開し、カスタム App、プラグイン、トレーニング、テンプレートを紹介しています。今後はさらに数を増やし、将来的には基盤技術であるClaris Coreに統合して、お客様がカスタム Appなどをすぐダウンロードして使えるようにするところに向けて歩み始めました。

  • クラリス・ジャパン
    Community & Business Development
    Senior Manager
    荒地 暁氏