シャオミは日本のSIMフリー市場向けに、新たに「Mi Note 10 Lite」と「Redmi Note 9S」の2機種を投入する。6月2日にオンラインで発表会を開催予定だ。

  • シャオミから6月2日の国内発売が予告されたMi Note 10 Lite

    Mi Note 10 Lite

「Mi Note 10 Lite」は、2019年末に日本市場向けに初めて発売された「Mi Note 10」の普及モデル。「Mi Note 10」では、1億800万画素カメラやハイブリッド10倍ズームカメラを含む、ペンタ(5眼)カメラが話題を集めたが、「Mi Note 10 Lite」は6.47インチの有機ELディスプレイ、画面内指紋センサーなどの筐体はそのままに、ソニーのIMX686センサーを採用した6,400万画素のメインカメラのほか、120度の超広角、マクロ、ToF(被写界深度センサー)のクアッド(4眼)カメラを搭載している。

カラーはネビュラパープル、グレイシャーホワイト、ミッドナイトブラックの3色で、常時オンディスプレイがカスタマイズできる機能なども追加されている。

  • Redmi Note 9S

一方の「Redmi Note 9S」は、日本初上陸となる「Redmi Note」シリーズの最新モデル。パンチホール型のノッチを採用した6.67インチのタイニー・ドットディスプレイに、F値1.97、4,800万画素のメインカメラ、119度の超広角、マクロ、ToFのクアッドカメラや5,020mAhの大容量バッテリーを搭載する。

チップセットにはプレミアムミドルに該当するクアルコムSnapdragon 720Gを採用。カラーはグレイシャーホワイト、オーロラブルー、インステラーグレイの3色で、両面に強化ガラスのCorning Gorilla Glass 5を採用するなど高い質感と機能を備えながら、グローバルでは日本円に換算して2万円台ほどという手頃な価格も話題を集めている。

日本での販売価格や販路の詳細は、6月2日に明らかにされる予定だが、発表会を前に、シャオミ 東アジア担当ゼネラルマネージャーのスティーブン・ワン氏と、同デピュティゼネラルマネージャーのチューヤン・ザン氏に話を聞くことができた。

  • シャオミ 東アジア担当ゼネラルマネージャーのスティーブン・ワン氏

  • デピュティゼネラルマネージャーのチューヤン・ザン氏

──コロナ禍で世界経済が大きく落ち込んでいますが、現況を教えてください。

ワン氏: 他社と同様にコロナショックの影響はもちろん大きいですが、厳しい状況の中でも努力を続けた結果、落ち込みを抑えることができました。すでに工場などの生産状況も100%回復していて、今後の出荷に関してもまったく問題ありません。

つい最近、2020年の第一四半期の業績を発表しましたが、売り上げ構成比の約半分が中国以外となるなど、グローバル市場での業績が引き続き好調です。現在90の国や地域に進出していますが、そのうち45の国や地域において、マーケットシェアトップ5に入っています。

また現在シャオミは、スマートフォンの出荷台数において世界第4位というポジションにいます。2020年の第一四半期、サムスン、ファーウェイ、アップルといった上位のメーカーがいずれも前年同期比マイナスとなる中、シャオミは、前年同期比9%のプラス成長を達成しました。

──2019年末にリリースされた「Mi Note 10」の反響と、日本市場の手応えを教えてください。

ワン氏: 「Mi Note 10」は当初の予想を上回る出荷台数を記録していて、大きな手応えを感じています。当初はAmazonだけで販売をスタートしましたが、その後いろんなところから引き合いをいただき、今後はさらに販路を拡大していく予定です。

日本のみなさんは要求が高く、製品を見る目も厳しいので心配していたのですが、製品の満足度も高く、良いフィードバックをいただけてほっとしています。

  • 6月2日の国内発売が予告されたMi Note 10 Lite。ミッドナイトブラック、ネビュラパープル、グレイシャーホワイトの3色で展開

──今回新たに投入される「Redmi Note」は、どのようなシリーズですか?

ワン氏: 「Mi」シリーズの中でも「Mi Note」シリーズは、最先端の技術を搭載したフラッグシップシリーズで、今回投入する「Mi Note 10 Lite」はその中にあって、手の届きやすいモデルになります。

一方「Redmi」は高品質かつコストパフォーマンスの高いシリーズで、その中でも「Redmi Note」はプレミアムなスペックでありながらミッドレンジ価格を実現した、特にコストパフォーマンスの高いシリーズになっています。

ザン氏: 「Redmi Note」はシャオミのスマートフォン中で、最も大きなシェアを持つシリーズです。昨年シリーズとしてのトータル出荷台数が世界第4位になったほか、累計出荷台数は1億1,000万台以上。グローバルでの前モデルにあたる「Redmi Note 8/8T」は、2020年第一四半期に最も売れたAndroidスマートフォンになりました。

ワン氏: 日本向けにこの「Redmi Note」を選んだのは、(性能と価格のバランスで)日本市場にないモデルだからです。たとえば両面にCorning Gorilla Glass 5を採用しながら5万円を切っているスマートフォンはほかにはありません。同価格帯のスマートフォンはもちろん、もう少し上の価格帯のスマートフォンとも競争力がある製品だと考え、投入することにしました。

──グローバルでは2万円台という安価な価格が話題になっていますが、日本向けのモデルも同じ水準の価格になりますか?

ワン氏: 今回日本向けに発売する2製品は楽天モバイルを含めて、国内全キャリアのバンドをサポートする、日本向けに特別にカスタムしたモデルになります。楽天モバイルへの対応も自社でチェックしました。ですので、価格は(グローバル版と)まったく同じというわけではありませんが、同様にコストパフォーマンスの高い製品になるのは間違いありません。ぜひ発表会を楽しみにしていてください。

  • Redmi Note 9S。カラーはオーロラブルー、インステラーグレイ、グレイシャーホワイトの3色展開

──高いコストパフォーマンスはどのように実現しているのでしょうか?

ワン氏: 「Redmi Note」シリーズは、今世界で最も売れているAndroidスマートフォン。出荷台数が多い分だけスケールメリットを生かすことができます。部品調達コストを下げられるだけでなく、一台当たりにかかる研究開発のコストも抑えることができます。

またよく記者の方から「なぜCMをやらないのか」と聞かれるのですが、宣伝費をかければその分だけコストは高くなります。CMをやらないのは、できるだけコストをおさえて、ユーザーのみなさんに還元したいという思いがあるからです。ここで強調したいのは、低コスト=低品質ではないということ。ハイクオリティーでありながら低コストというのが、シャオミの最大の武器だと思っています。

──今回の2機種はいずれもミドルレンジのモデルですが、今後も日本市場向けにはミドルレンジのモデルを軸に展開していく計画ですか?

ワン氏: 日本のスマートフォン市場はこれまでハイエンドモデルが中心でしたが、トレンドが徐々にミドルエンドモデルへと変わってきています。先ほども言ったようにハイクオリティーでありながら低コストというのが我々の武器なので、より良い品質の商品をミドルエンド、ローエンドの価格で出してきたいと考えています。

──KDDIから「Mi 10 Lite 5G」の発売も予定されています。今後SIMフリー市場向けにも5G端末の投入予定はあるのでしょうか?

ワン氏: キャリア市場、SIMフリー市場、それぞれに特徴やメリットがあるので、両方の市場で頑張っていきたいと考えています。しかしSIMフリー市場への5G端末の投入は、まだサポートしているMVNOがないですし、様子を見ながら進めたいと思っています。