米Microsoftが4月29日 (現地時間)に発表した同社2020年度第3四半期 (2020年1月〜3月)決算は売上高、純利益ともに1〜3月期の過去最高だった。Windows事業が減速したものの、在宅勤務や在宅学習の広がりによるクラウド事業やOfficeの伸びが全体をけん引。「全体ではCOVID-19が収益に与えた影響は最小にとどまった」としている。
CEOのSatya Nadella氏は3月期について「2年分に相当するデジタル変革が2カ月で起こるのを見た」と述べた。在宅勤務需要を追い風に、コラボレーションツール「Microsoft Teams」が3月にDAU (デイリーアクティブユーザー)を3200万人 (3月11日)、4400万人(3月18日)と急増させた。その伸びが4月も続いて7500万人を突破。4月にはミーティング参加者の合計が2億人を超える日があったという。在宅勤務や在宅学習からセールス、カスタマーサービスまで、あらゆるプロダクティビティのニーズがリモートへとシフトし、それに伴うクラウド基盤やセキュリティへの要求にもMicrosoftは応えている。
3月期の売上高は350億ドルで前年同期比15%増。純利益は同22%増の108億ドル、1株利益は1.40ドルだった。市場予想の平均は、売上高337億ドル、1株利益1.26ドルだった。以下は部門別の売上高。
More Personal Computing
売上高110億ドルで前年同期比3%増だった。Windows OEM Proが同5%増にとどまり、OEM non-Proは同10%減だった。Windows 7のサポート終了に備えた買い替えが落ち着いて減速が予想された中、在宅勤務や在宅学習で需要が増加したものの、新型コロナウイルスの影響を最も早く受けた中国のサプライチェーンが供給のボトルネックになった。一方で、Windows Commercial製品とクラウドサービスはMicrosoft 365の順調な伸びで同17%増だった。
他のカテゴリーは、Surfaceデバイスの売上高が前年同期比1%増だった。ゲーミングは同1%減。Xboxコンテンツおよびサービスは、前年同期にサードパーティ・タイトルが好調だったため同2%増にとどまったが、外出自粛要請で3月期にゲームで遊ぶ人が増加した。
Productivity and Business Processes
売上高117億4000万ドルで前年同期比15%増だった。コマーシャル向けOffice製品/クラウドサービスの売上高が同13%増。Office 365のコマーシャルシート数が20%増加し、売上高が同25%増だった。コンシューマ向けOffice製品/クラウドサービスの売上高は同15%増。3月末時点のコンシューマ向けOffice 365の契約者数は3960万人、前期から240万人の増加だ。
Intelligent Cloud
売上高122億8000万ドルで前年同期比27%増だった。サーバー製品およびクラウドサービスの売上高は同30%増。Azureが同59%増、サーバー製品が同6%増だった。