米Googleは4月29日 (現地時間)、企業や教育機関向けに提供しているビデオミーティング・サービス「Google Meet」を、一般ユーザーにも無料で提供すると発表した。5月上旬より数週間をかけてロールアウトする。

パソコン、スマートフォン、タブレットで利用可能。参加できる人数は最大100人。個人用にはミーティング毎に最長60分の時間制限が設けられているが、新型コロナウイルスの感染拡大で高まるグループビデオミーティング需要に対応し、9月30日までは時間無制限で利用できるようにする。

  • 最大100人の参加をサポートする「Google Meet」

    5月上旬からロールアウト、現在Google Meetのサイトで関連情報通知のメール登録を受付中

Googleは2017年にチャット・ビデオ通話サービス「Hangouts」を、G Suit向けに個人・グループ用チャットの「Hangouts Chat」とビデオミーティングの「Hangouts Meet」に分割。企業ユーザーのニーズに応える機能追加や改善を積み重ね、今年4月に利用者が従来のHangoutsと混同しないように名称を「Google Chat」と「Google Meet」に変更した。Google Meetの一般向け提供は、G Suitユーザーが求める安全性と信頼性に応えるビデオミーティング・サービスが広く一般ユーザーにもたらされることを意味する。

デフォルトの状態でユーザーが安全に安心して利用できる仕組みになっており、例えば個人用アカウントで作成されたミーティングに匿名ユーザーは参加できない。Googleアカウントが必要になる。会議コードは、デフォルトで複雑なコードが生成される。トラブルが起こっても柔軟に対応できるように、参加の承認/拒否、必要に応じた参加者のミュートや削除といった強力な管理機能を主催者に付与。ビデオミーティングで転送されるデータは全て暗号化し、Googleドライブに保存する録画/録音データも保存時に暗号化する。モバイルアプリはGoogle Playストア (Android版)、App Store (iOS版)で配信し、Webブラウザ (meet.google.com)では追加のプラグインをインストールすることなく参加できる。

機能面は、簡単な会議設定や画面共有、リアルタイムでの字幕表示 (英語のみ)、参加者全員の顔が見られるタイル表示を含むレイアウト変更といった企業・教育機関向けと同じ機能を個人ユーザーにも提供する。

Googleは新型コロナウイルスによる在宅勤務や在宅学習の広がりに対応して3月からGoogle Meetのプレミアム機能を全てのG Suiteユーザーに期間限定で無料解放しているが、G Suiteを利用していない組織向けに新たに「G Suite Essentials」を用意した。Google Meet、Googleドライブ、ドキュメント、スプレッドシート、スライドを含み、同社は9月30日までEssentialsを無料で提供する。