UVCに対応したのは「ライブ配信の広がり」

このように、映像のせいで乗り気にならないWeb会議をワクワクするものに変えてくれるfpのWebカメラ化。競合のフルサイズミラーレスに先んじてfpにUVCを搭載した理由について、fpのプロジェクトリーダーを務める畳家久志氏は「もともとはストリーミング配信の広がりに対応するためだった」だと語ります。

  • fpのプロジェクトリーダーを務めるシグマの畳家久志氏

写真だけでなく動画でも高い性能を備えるべく開発を進めていたfp。単純に機能や性能を上げるだけでなく、消費者の使い方やニーズに合った機能を盛り込もうと、デジタルカメラの動画機能がどのような用途で使われているかを調査。その結果、生の映像をインターネット経由で配信するライブ配信やストリーミング配信のニーズが広がっていることが分かったそうです。

撮影や配信が1台で手軽にできるスマートフォンの普及で、ライブ配信の敷居はグッと下がりました。しかし、映像や音声のクオリティを高めようとするとレンズ交換式カメラが求められ、HDMIキャプチャーユニットを用意してパソコンに接続する必要がありました。

fpでは、HDMIキャプチャーユニットのような高価な専門機器を使わず、パソコンの内蔵Webカメラを利用するのとあまり変わらない使い勝手ではるかに高画質なストリーミング配信が簡単にできるようにしたい…と考え、UVCやUACを標準でサポートすることにしたといいます。

他社のデジタルカメラが軒並みUVCには対応していないことを考えると、UVC機能を搭載するのはとても難しいのでは…?とも感じます。畳家氏によると、カメラをUVCに対応させること自体はそれほど難しくないといいます。しかし、ライブ配信やWebカメラの用途では、ふだんの動画撮影よりもはるかに長い時間、4K画質やフルHD画質の動画をパソコンに送り続ける必要があります。fpは、回路設計や放熱などの工夫で安定性や信頼性を引き上げ、トラブルなく安心して使えるようにしたといいます。

ちなみに、シグマの山木和人社長のTwitterでは、液晶ディスプレイ背面のVESAマウントに取り付けるタイプのfp用ブラケットを3Dプリンターで自作した社員がいることを公表し、話題になっています。

オフの日も楽しく使える“究極のWebカメラ”

非常事態宣言があと1カ月程度は延びそう…といった報道がなされており、ゴールデンウィークが終わってもしばらくは在宅でのリモートワークが続く可能性があります。きれいな印象をWeb会議の相手に与えたい人、Web会議で対面と同等の大事な商談をしなければならない人など、現状のWebカメラに満足していない人は、“究極のWebカメラ”ともいえるfpを試してみては? もちろん、オフの日も不満なく使える仕上がりのフルサイズミラーレスであることは忘れてはなりません。