高いゲーミング性能、ビデオ会議でのパフォーマンスも良好

最後にベンチマークテストでHL-Bのパフォーマンスを見ていこう。今回用いたのは、MAXONのCINEBENCH R20、ULのPCMark 10、3DMark、ゲーム性能としてはスクウェア・エニックスのFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク、ロックスター・ゲームスのRed Dead Redemption 2、Epic GamesのFortnite。

まずはCPU性能を見るCINEBENCH R20。結果はCPUスコアが3043pts、CPU(Single Core)のスコアが478ptsだ。ハイエンド級として不足ないスコアと言える。ただしLGA1151系CPUにはCore i9もあり、そちらではHyper-ThreadingとよばれるSMT(Simultaneous Multithreading)技術により、同じ8コアで16スレッドを処理できる。それと比較をするとCPUスコアは多少見劣りするのは事実だ。とはいえ、CINEBENCH R20のようなレンダリングアプリケーションはSMTが特に有効に効くものであり、アプリケーションによってはSMTがそこまで有効に効かないものもある。実コア数が重要となるアプリケーションでは、HL-Bも8コアのパフォーマンスを発揮してくれるというわけだ。

  • CINEBENCH R20

PCMark 10のExtended Testでは7761ポイントを記録している。シナリオ別に見ても、ホーム用途のEssentialsが9025、ビジネス用途のProductivityが6645、クリエイティブ用途のDigital Content Creationが9202、Gamingが17767と、どれも高いスコアで万能さがうかがえる。ほかと比べてProductivityが低いものの、このシナリオのスコアが低めになるのはPCMark 10自体の傾向なのでビジネスに弱いということはない。むしろ十分に高いスコアだ。

  • PCMark 10 Extended Test

また、近ごろ話題のテレワークでポイントとしたいのがEssentialsのスコア。Video Conferencingテストはまさに「ビデオ会議」を想定したテストだ。このテストでもHL-Bは7679ポイントという高いスコアを示している。ビデオ会議の場合、エンコーディングやネットワーク処理でCPUやGPU、そしてハードウェアトランスコーダ/デコーダなどPCのあらゆる機能を利用する。その意味でも本機のような高性能PCがオススメだ。

3DMarkのスコアに関しては言うまでもないかもしれない。GeForce RTX 2070 SUPERという最新世代でも上から数えたほうが早い高性能GPUを搭載しているため、どのスコアも総じて高い。代表的なところでFire Strikeは21025と2万ポイントを超えており、もう一つ、高負荷なTime Spyも9652と1万ポイント目前のスコアだった。

  • 3DMarkのスコア。上はFire Strike、下はTime Spy

  • RTX 20シリーズGPUなので、独自機能のDLSS(上、DLSS feature test)やハードウェアによるリアルタイムレイトレーシング(下、Port Royal)にも対応している

HL-Bの購入を視野に入れる方の多くは実際のゲーム性能を重視するだろう。FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークでは、フルHDなら高品質設定で10030ポイントの「とても快適」評価。WQHDの高品質設定でも7504ポイントで「快適」評価だ。4Kになると高品質設定では4319ポイントの「普通」評価だが、軽量品質とすれば7077ポイントの「快適」評価が得られた。

  • FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク。ともに高品質設定で上がフルHD、下がWQHD

  • こちらは4K。上が高品質設定、下は軽量品質設定のもの

もう一つ、比較的新しいゲームタイトルかつ重量級のRed Dead Redemption 2。こちらもフルHDなら精密度プリセットレベルを最大(画質優先)にしても平均66.8127fps。余裕でプレイできる。WQHDでも「バランス」の3レベル目まで60fps超を記録できた。このように、重めのゲームでもフルHDなら最高の画質クオリティで快適なプレイが楽しめ、設定によっては一つ解像度を上げたWQHDも視野に入る。

  • Red Dead Redemption 2のビルトインベンチマークの結果。上はフルHDで画質最大。下はWQHDでバランスの3/6

比較的軽量なFortniteでは、画質を最大とした状態でフルHD時146.18fps、WQHD時99.20fps、4K時52.17fpsだった。eスポーツタイトルでは144Hz超のゲーミングディスプレイを組み合わせることも多いが、フルHDならそのディスプレイ性能を十分に活かすことができる。一般的な60Hzのディスプレイを組み合わせる場合でも、WQHDが十分に余裕を持ったフレームレートで楽しめる。

  • Fortniteのクリエイティブモードを用い、OCATからフレームレートを計測したもの。上からフルHD、WQHD、4K

自宅というスペースの価値が高まる今こそ、小さくて高性能でコスパのよいPCを

G-TuneのHL-Bは、机の上に置いても余裕がある小さな高性能PCだ。設置に必要なスペースは猫1匹分。机の上に猫のお気に入りスペースがある場合は申し訳ないがフカフカの猫ベッドを用意してそちらに移ってもらえば大丈夫だ。在宅ワークのニーズが高まっているなか、自宅ワークスペースの効率化のニーズも高まるだろう。サイズと性能の両立で、生活への圧迫を最小限に、業務効率が高く息抜きもできるPC環境を実現できるのは魅力だ。

この高パフォーマンスが最大に活きるのはやはりゲームとなるが、PCの性能というのは「大が小を兼ねる」。会社支給のPCだと必要最低限のスペックになりがちだが、PCMark 10のスコアのとおり、HL-Bならビデオ会議ですら快適になる点にも注目してほしい。HL-Bの標準構成時の価格は169,800円(税別・送料別)。やや高額な部類だが、ゲーミングPCとしてみれば手ごろな価格帯だ。しかも小さく、ビジネスにも使える万能マシンという魅力はかなり大きい。