プロンプターを製造販売するページワンは、昨今注目度が増す行政による会見で、首相も使っていることで話題になっている「プロンプター」について、より詳しく知ってもらうべく情報を開示した。

  • プロンプターを使ってスピーチをする様子

    プロンプターを使ってスピーチをする様子

プロンプターとは、演説者の前に設置し、読み上げる原稿を表示するデバイスのこと。透明な板の下からモニターに表示される文字を映し出すことで、話者のスピーチをサポートする。話すテンポにあわせて、オペレーターが原稿送りの速さを操作したり、止めたり進めたりすることも可能だ。

これの使用を受けて「原稿に書いてあることを読んでいるだけではないのか」「それは真摯な会見だと言えるのか」等の指摘があるという。首相はなぜプロンプターを使用しているのだろうか。同社によると、大きく理由は2つ考えられるという。

1つは「ミスを防ぐ」という目的。極めて緊急性が高く、国民の注目度の高い会見において、言い間違いや表現の語弊を避ける必要がある。小さな文字が並ぶ紙の原稿や、アドリブで話す会見では、これらのミスが防ぎにくいため、重要な場面では目線の高さに大きくはっきりと映し出されるプロンプターが最適だとする。

もう1つは「訴求力を向上させる」という目的。紙原稿はどうしても目線が下に落ちてしまうこともある上、ミスなく正確に読もうとすればするほど目が離せなくなる。一方高い位置に大きく表示されるプロンプターを使用してスピーチを行えば、聴衆に視線を向けて話し続けることができるため、自信を持って話しているように見える効果があるという。

プロンプターは、あくまで聴衆に対して正確な情報を堂々と伝えるために使われており、決して話者が真摯でないということはないだろう。

  • 原稿は話者の方にだけ表示され、このように見える

    原稿は話者の方にだけ表示され、このように見える