「良い上司」と一口に言っても定義は様々、聞く人により答えも異なるだろう。では、女性スタッフから見た"良い上司"の共通点は何だろうか?ーーAmerican Expressが中小規模企業向けに用意するビジネスコンテンツ「What Makes a Good Boss? These 3 Women Share Their Stories」が、実際の声を元に分析している。寄稿者のAmber Andersonさんは、女性をブランディングターゲットにした製品戦略を提供する企業Tote + Pearsの共同創業者。夫と子を持つ女性として、製品、サービス、体験の設計を提供している。

記事は、女性3人に聞いた声から良い上司とは何かを探ったものだ。女性も男性も上司に望むものの本質は大きく差はないだろう。だが重視するポイントは異なるかもしれない。女性部下はどんな上司だとやりやすいと感じているのか、上司に何を望んでいるのか、知りたい人は必読だ。

1. EQ
1つ目に挙げているのは"心の知能指数"とも言われる「EQ(エモーショナル・インテリジェンス)」だ。EQはよく知られているコンセプトで、本も多数あるのですぐに勉強できる。記事ではある女性の声として、「素晴らしいマネージャーは、自分の指揮系統(上司)によく見られるようにしようとするより、自分のチームを心からケアしている」と語っている。

部下は上司の行動をとてもよく観察している。自分の上司に気に入られるために自分のチームを動かしているのか、自分のチームのメンバーのことを思って行動しているのか、敏感に感じ取っている。自分たちのことを気にしてくれていると思うと、気にしてくれる人についていこうという気持ちが生まれる。こうやってチームメンバーにいいエネルギーが生まれ、ポジティブな雰囲気が伝染すれば、チームとしてのパフォーマンスアップにつながるはずだ。

2. 価値を見出してくれる
人は誰しも認められたいもの。もしオフィスに男性が多い場合、女性スタッフが安心して自分の意見を言える、自分の仕事を認めてもらっていると思える環境は重要だ。男女関係なく部下一人ひとりから固有の価値を見出し、その価値を増強する方向に導くーーこんな上司なら、指示を仰ぎたいだろう。

ある女性は、自分の価値を評価する上司が、専門のイベントでスピーチするように奨励してくれたというエピソードを明かしている。「専門分野における自分のネットワークを広げ、これまでの業務範囲を超えた面白いチャンスを活用するように励ましてくれた」とこの女性は語っている。そのためには、部下の話に耳を傾け、良いところや強みを引き出し、認め、一貫して支援を続ける必要があるとしている。

3.人間らしさ
性別、年齢、国籍、学歴など様々なバックグラウンドを持つ人がともに働き、生活するーー時代は多様性の方向に向かっている。自分のままで仕事ができることは重要だ。社員が安心して自分のことが話せる環境かどうかは、直属の上司によるところが大きい。

記事では、入社して不安を感じていた女性が、上司が開いたチームイベントで気後していたところ、その後上司が自分の家族など個人的な話をしてくれたという話を紹介する。この上司はその後も安心して話をする時間を持つことで、自分の価値観や長所、考え方などを理解してくれたとのことだ。

上司自らが自分の個人的な話をして"人間らしさ"を見せることで、部下は安心する。共通点から親近感を感じることもあるだろう。プライベートは別と切り離すのもいいが、時には一人の人間としての一面を見せると、部下との関係が変わるのかもしれない。