2月12日から14日までの3日間、新たなウェアラブル機器やデバイス、素材などの展示会「ウェアラブルEXPO」が東京ビッグサイトで開催されています。プロジェクターなど偏光利用機器のデバイス製造を手がけるカラーリンク・ジャパンのブースでは、VR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)向けの薄型レンズモジュールを初公開。また、ARグラス向けシースルーモニターのプロトタイプも展示していました。
VR HMDがコンパクトになるかも!薄型レンズモジュール初公開
同社が出展しているVR HMD向けレンズモジュールは、厚みが12mm以下と薄い点が最大の特徴となるコンセプトモデル。ブースの説明員によると、現行のVR HMDが採用しているレンズモジュールはほぼすべてが20mm台であり、12mmと薄くしたことで、製品デザインの自由度が格段に上がるといいます。
展示していたモジュールは視度調整機能付きの0.5型有機ELを備え、解像度はUXGA(1,600×1,200ドット)、リフレッシュレートは120Hz、視野角は56度。展示機は開発中につき、アスペクト比4:3のディスプレイを使用していました。今後さらなる小型化、薄型化、軽量化を目指すとともに、視野角などを改善し、16:9のディスプレイを搭載したいとのこと。
現在主流のVR HMDはかなりの重量と厚みがあり、多くの人にとって装着するときのハードルが高めです。筆者もPC用のVR HMDを持っていますが、確かに使うときは「よし、かぶるぞ」と気合いを入れることがよくあります。
VR HMDに使われている主要なデバイスが性能を維持したまま小型軽量化すれば、それだけ製品そのものを小さく収める余裕が生まれ、より気軽に使いやすくなるでしょう。
シースルーでフルHD表示、有機EL採用のメガネ型デバイス
0.7型有機ELを採用した、メガネ型シースルーモニターのプロトタイプも出展していました。光線透過率は25〜30%で視野角は40度。フルHD解像度(1,920×1,080ドット)のディスプレイを使っており、PCのモニターとしても利用可能。展示機では、動画視聴用と事務作業用(表計算ソフト操作)のそれぞれに向けて調整されたモデルを体験できます。
モジュールの重さは30g未満と軽く、高解像度であることも売りだといいます。実際にかけてみたところ、解像感の不足は感じられず、着け心地さえ良ければ現実的に常用できそうと感じました。現在は長時間装着しても疲れにくい設計を研究しているところだといいます。
画面の向こう側が透けて見える透過モニターであれば、着けたままでも周囲を確認できるので移動時に支障をきたさないだけでなく、かけている本人にしか映像が見えないこともプライバシー保護の面で有利。たとえば、新幹線や航空機で移動しながら書類やメールを作成するときの、のぞき見防止に役立ちそうです。