ワコムは2月7日、「当社ペンタブレット製品によるデータ収集についてのお知らせ」と題する告知を掲載。その中で、ユーザーに心配をかけたことを謝罪するとともに、データ収集に関し誤解があるとして釈明した。
【お知らせ】当社ペンタブレット製品のドライバによるデータ収集について、ご説明に不明瞭な点があったために誤解が生じ、お客様にご心配をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。メディアの情報に一部誤りが見受けられたことを踏まえ、下記お知らせを掲載しました。⇒https://t.co/Z4ikCEI4Uf pic.twitter.com/HEd1SJv6m1
— 株式会社ワコム (@wacominfojp) February 7, 2020
同社の告知は、2020年2月5日に、Robert Heaton氏が米国で掲載したブログに端を発したもの。ワコム製タブレットが、その使用中に起動されたアプリの名称を収集していたことを問題視する内容だ。同社Twitterには「ショックだった」「すぐにオフにした」といった声が寄せられる一方で、「あってもいい情報だが説明が足りなかった」「騒ぐほどではない」と擁護する声もある。
今回掲載された同社の告知では、「ペンタブレット製品のモデル名」「使用状況」「製品の使用中に使用されているソフトウェアの名称」がGoogle Analyticsサーバーへ匿名統計データとして収集されているとした上で、一部に誤解もあるとした。
ワコムの広報に「誤解」の内容を確認したところ、「製品開発のためにユーザー情報を収集する『Wacom Experience Program』は、製品ドライバの一部ではなく、別のもの。ドライバのインストール後に再起動があり、Wacom Experience Programに同意するかどうかを確認している。これはオプトアウト(データ提供の停止)でき、オプトアウトしても、問題なく製品は動作する」と回答があった。ただし、Wacom Experience Programへの同意を尋ねる画面通知は「タブレットドライバ プライバシー通知」という名称で出るため、確かに誤解を招きそうだ。
また、「告知の通りとなるが、MACアドレスや製品のシリアルナンバーは収集されず、ユーザーの特定も不可能。PC内のファイルや作品データを収集することもない」とのこと。
Wacom Experience Programで収集したデータを、開発にどのような形で活用しているのか聞いたところ、「製品の改善に活用している。例えば利用者に多く使われているアプリにより最適化したり、より安定して動作させる目的に役立てられる」とした。
また、今後「Wacom Experience Program」のデータ収集内容を変更する可能性はあるかと尋ねたところ、「集めるデータに関しては、製品の改善のためにどんなデータが必要か、都度見直しを図っている」とコメントがあった。
「Wacom Experience Program」のオプトアウト方法は、公式サイトの「タブレットドライバ プライバシー通知 設定変更方法について」に詳しい。具体的には、PC向け設定アプリ「ワコムデスクトップセンター」を開いて、画面右上にある「さらに」(ログインの右隣)を選択。プルダウンメニューから「プライバシー設定」を選択し、「Wacom Experience Programに参加」をオフにすることで、データ収集を停止できる。