富士ゼロックスは2月6日、個室型ワークスペース「CocoDesk」を2月20日から提供し、シェアオフィスサービス事業を本格開始すると発表した。CocoDeskは、机、椅子、電源、USBコンセント、大型モニター、エアコン(設置されていない場合もある)のほか、無線LAN接続に対応しテレワークに必要な環境を提供する。
利用にあたっては、スマホアプリから予約を行う。予約時間になると、スマホアプリの画面で解錠ボタンが有効になるので、解錠して利用できるようになる。予約は15分単位で行える。
富士ゼロックス アドバンスドインダストリアルサービス事業本部 デジタルプラットフォーム部 グループ長の丹野泰太郎氏は、「CocoDesk開発のきっかけは同社の営業職の社員の悩みから始まった」と説明した。
その社員が3社を訪問しなければならなかった日、移動の合間に約5時間発生するため、有効活用したいのに、出先で安心して働ける場所がなかったという。「ならば、いっそのこと、場所を作ってしまおうということになった」と丹野氏。
そこで、オープンイノベーションの一環として「働き方の多様化などを伴う新たな移動の価値を提供し、都市機能を高める}をテーマとして掲げる東京メトロと共同で実証実験を行うことになった。
2018年10月から2019年3月にかけて行った実証実験には、延べ2000人の利用者が参加し、アンケートでは66%の人が「リピートしたい」と回答したという。丹野氏は、「ワークスペースを事業として考える際、リピート率を重視していた。この数字なら、事業としていけると感じた」と語っていた。
丹野氏は、「CocoDesk」の特徴として、「Comfotable(快適性)」「Convenient(便利さ)」「Connected」「Secure&Safety」を挙げた。例えば、「Comfotable」については、座り心地の良い椅子、人間工学に基づいた部屋の明るさやモニターの位置など、長時間のデスクワークでも疲れにくい、かつ、集中できる環境が整備されている。
また、「Convenient」については、スマホアプリで近くのCocoDeskを予約できるほか、富士ゼロックスが提供しているネットプリントサービスの店舗を検索して、セブン-イレブンで印刷することも可能だ。
「Connected」については、防音パネルを活用することで、周囲の声を気にすることなく、電話やテレビ会議をすることが可能になっているほか、無線LANも整備されている。
「Secure&Safety」については、防犯カメラが設置されており、万一に備えて録画されているほか、スライド式のドア構造となっているため、ドア開閉時に通行人にぶつかる心配がない。
2月20日の時点では、池袋駅、溜池山王駅、明治神宮前駅、六本木一丁目駅構内にCocoDeskが設置される。東京メトロでは3月末までに、10駅の駅構内にCocoDeskを設置する予定だ。
また今後は、京浜急行電鉄など大手私鉄のほか、オフィスビル、展示場・会議場などを管理・運営する会社とのパートナーシップ締結を順次拡大していくという。
料金は、法人向けと個人向けで体系が異なる。法人は、月額基本料1500円(5ユーザー)に15分につき250円のサービス利用料を支払う必要がある。法人には管理ツールが提供され、利用者のログを取得できる。個人は、15分につき250円のサービス利用料を支払う必要がある。