Avast Softwareは1月29日(米国時間)、「A message from Avast CEO Ondrej Vlcek|Avast」において、Webブラウザのエクステンションを経由して収集したユーザートラッキングデータをサードパーティに販売していたという指摘を受けて、販売を担当していたAvastの子会社Jumpshotの操業を停止すると発表した。Jumpshotはユーザーのトラッキングデータを第三者へ販売していたとされており、これらデータはユーザーの特定が可能だったと指摘されている。

  • A message from Avast CEO Ondrej Vlcek|Avast

    A message from Avast CEO Ondrej Vlcek|Avast

Jumpshotが収集および販売していたデータに関しては、PCMagに掲載された記事「The Cost of Avast's Free Antivirus: Companies Can Spy on Your Clicks」に経緯も含めて詳しくまとめられている。Avastの提供していた無償のブラウザエクステンションの挙動がセキュリティ研究者によって指摘されたことが今回の問題発覚の発端とされている。

当初、Avastは「収集したデータは匿名化されているため、個人を特定することはできない」と説明していた。しかし研究者の調査結果によると、販売されているデータからは個人を特定することが可能であり、匿名化することは難しいとの評価が行われている。

Avastはこうした評価を受けてJumpshotの操業停止を発表したと見られる。本校執筆時点で、どの企業に対してデータが販売されていたかなどの詳細は明らかにされていない。