さて、お次はANA BUSINESS STAGGEREDだ。スタッガード配置のキモは、シートピッチを詰めながらフルフラット分の長さを確保するため、オットマン部を前席の側面に食い込ませている点にある。その関係で、前後に並んだ2つの席の位置がそれぞれ互い違いになるわけで、それがANA BUSINESS STAGGEREDの由来となっている。

ビジネスクラス シート・座席一覧(ANA Webサイト)

この配置の利点は、メインのテーブルとは別に、大きなサイドテーブルを確保できること。それはもちろん、後方から突き出たオットマン部をカバーするスペースを利用できるから。

実際に利用してみると、食事や寝る準備をする場面で、ノートPCなどの小間物をのけておくのにサイドテーブルが重宝した。ちなみにこのスペース、離着陸時はモノを置いてはいけないことになっている。

スタッガード配置の場合、そのサイドテーブルと前席の間に空間ができる。位置によっては、そこがデッドスペースに見えてしまうが、このスペースがないと窓側席から通路への出入りができない。無駄な空間というわけではない。

  • 「ANA BUSINESS STAGGERED」のシート

実際に利用してみたところ、幅がやや狭いかなという印象はあった。といっても、エコノミークラスと比べれば広いし、フルフラットで寝られるのだから、「贅沢いうな」と怒られそうだが。

777-300ERの場合、テーブルは前方の個人用画面下から引き出す構造。2本の太い部材で支えているので、安定感はある。ただ、それが前席のサイドテーブル部に取り付くので、後ろの席の人が乱暴にテーブルを操作すると、前席に響くところが気になった。

面白いのは通路間席の最前列で、斜め前方に空きスペースができる。そこをバシネット(ベビーベッド)を設置するスペースに充てている。また、左窓側の席では同じスペースをクローゼット(乗客から預かったコートなどをしまっておく)にしていた。うまい。

  • 「ANA BUSINESS STAGGERED」のシートのモニタと机

ちょっと不便に感じたのは、AC電源とUSB電源が個人用画面の下にあり、手元から遠いこと。ノートPCはテーブルに載せて使うからいいが、スマートフォンを手元で使うには、長いケーブルが必要になってしまう