撮影性能も不満なし

撮影性能もなかなか優れていると感じました。特に、AE(自動露出)やオートホワイトバランスの性能が高いようで、逆光の状態やさまざまな種類の光源が混じるミックス光の状態でも期待通りに仕上げてくれました。

AFの追従性能や速写性能もなかなかのもの。αシリーズのように、動き回る人物の瞳に食らいつくようにピントが合い続ける…というほどではありませんが、そこそこ軽快に撮影をこなしてくれる印象です。

  • AE(自動露出)性能が高いとも感じた。完全な逆光で真っ暗に仕上がるかと思いきや、わずかなプラス補正だけで狙った通りに仕上がった(NIKON NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR使用、139mm相当、ISO16000、1/200秒、F5.6、+0.3補正)

  • 動体の追尾性能もなかなかで、撮影の腕があまりなくても期待していた写真が撮影できた(NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR使用、75mm相当、ISO500、1/500秒、F6.3、+0.3補正)

  • 屋外に飾られていたクリスマスツリーを、最高感度となるISO51200で撮影。ノイズは多いが、色の付いたノイズではないため、精細感が保たれている(NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR使用、75mm相当、ISO51200、1/25秒、F6.3)

ある程度腕のある人は気になる1台になりそう

各社がこぞって発売したフルサイズミラーレスは、重量級の高画質レンズの投入もあり、「高画質で撮れる」とインパクトを与えました。しかし、かつてのミラーレスの代名詞だった「小型軽量で価格もお手ごろ」という魅力は失われ、気軽に趣味で使いたい入門者~中級者が置き去りにされてしまった印象があります。

そのようななか登場したZ 50は、カメラやレンズを軽量コンパクトに仕上げつつ、速写性能やEVF、ワイヤレス通信など、撮影性能や装備を簡略化しなかったのが評価できます。さらに、フルサイズ機と共通のニコンらしいデザインで、「フルサイズ機の装備やデザインを簡略化した格下モデル」という印象を感じさせないのもポイント。加えて、使い勝手がよくお手ごろ価格のダブルズームキットを用意したことで、満足度の高いミラーレスに仕上がっていると感じます。

  • デザインや装備を見る限りは「フルサイズ機の格下」という印象を受けないのがZ 50のいいところ

カメラ量販店での実売価格は、売れ筋のダブルズームキットが税込み17万円前後(+ポイント10%)となっています。2020年の1月中旬まで実施しているキャッシュバックキャンペーンでは、ダブルズームキットの購入者は2万円のキャッシュバックが受けられます。つまり、ポイント還元も考慮すれば、実質13万円ちょっとでレンズ2本付きモデルがゲットできる計算になります。販売開始間もない最新モデルとしては、なかなか魅力的な価格といえるでしょう。

10年ぐらい前の古いAPS-C一眼レフや初期のミラーレスを使っている人ならば、画質や速写性能、操作性の進化ぶりにインパクトを受けるはず。レンズ交換式カメラをある程度使いこなしてきた人にとって、ちょっと気になるカメラになりそうです。