◆TMPGEnc Video Mastering Works 7 V7.0.12.14(グラフ8)

ペガシス
http://tmpgenc.pegasys-inc.com/ja/product/tvmw7.html

こちらの記事の時と同様、4枚の4K動画(VP9)をHEVCに変換する処理時間から速度を算出している。以前の結果と比べると、Ryzen 9 3900Xが若干スピードアップしているが、これはTMPGEnc側のバージョンアップも関係しているのかもしれない。それにしてもRyzen 9 3950Xの性能は圧倒的で、4KのHEVCをソフトウェアエンコードで20fps超で処理できるというのは、HEVCが最初に出たころにCPUで処理すると数FPSでしかなかった事を考えると、雲泥の差である。

◆DxO PhotoLab 2 V2.3.2.265(グラフ9)

DxO Labs
https://www.dxo.com/ja/dxo-photolab/

次は写真のRAW現像。こちらと同じ様に、結果は毎分辺りの処理枚数である。ということで、こちらもやはりコアの数がそのまま性能に直結している感じがはっきり判る。さすがにE-M5でx16にすると、RAW画像1枚あたりの負荷が小さいためか、そろそろオーバーヘッドが大きくなってくるが、逆にα7IIだとRAW画像1枚あたりの負荷がずっと高いため、むしろ一番効率が良い事になっている。上のHEVCのトランスコードもそうだが、こうした処理を行う際には、やはりRyzen 9 3950Xは非常に良い選択肢ということになる。

◆3DMark v2.10.6799(グラフ10~15)

UL Benchmarks
https://benchmarks.ul.com/3dmark

ここからは3D系を。今回はGeForce GTX 2080 Superを利用している関係で、FireStrike UltraとかTimeSpy Extremeなども含めて結果を見てみた。

まずグラフ10・11がOverallである。想像はしていたが、非常に差は僅か、として良いと思う。グラフ11でFireStrikeだけ飛び抜けて良いスコアだが、これは後述する。

純粋にGPU性能で決まるGraphics Test(グラフ12・13)で言えば、差は殆ど無いというか、テストによってはRyzen 9 3950XよりRyzen 9 3900Xの方が良いスコアの場合もある。このあたりは、Base FrequencyがRyzen 9 3900Xの方が高い(3.8GHz:Ryzen 9 3950Xは3.5GHz)事が関係しているのではないかという気がする。

では先のOverallの差はどこから出てくるか、と言えばPhysics/CPU Test(グラフ14)が主で、SkyDiver/FireStrikeの結果でRyzen 9 3950XはRyzen 9 3900に結構な差をつけているのが判る。FireStrikeだけ性能差があり、FireStrike Extreme/Ultraではさほどの差ではないのは、Overall Score算出の際にPhysics Testの結果が占める比率が相対的に下がるから、である。

この傾向はCombined Testの結果(グラフ15)からも判る。FireStrikeでは結構な性能差があるのが、FireStrike Extreme/Ultraでは殆ど差が無い、というのは要するにFireStrike位の負荷だとGPUに余力があるため、CPU性能の差が出るが、Extreme/UltraになるとGPU側がボトルネックになってCPU性能の差が殆ど反映されなくなる、ということだ。

このあたりの傾向はゲーム系ベンチマークにも影響しそうである。