米Dell Technologiesは11月12日~13日(現地時間)、米オースティンでプレス向けイベント「Dell Technologies Summit」を開催し、12日(現地時間)には、自律型インフラとして、コンバージド・インフラ「Dell EMC PowerOne」を発表した。

  • 「Dell EMC PowerOne」

「Dell EMC PowerOne」(以下、PowerOne)は、「PowerEdge」サーバ、 「PowerMax」ストレージ、「PowerSwitch」(ネットワークスイッチ)で構成され、オプションでデータ管理、重複排除、高速化、バックアップ機能などを有する「PowerProtect」も提供。「VMware」の仮想化を内蔵のインテリジェンスエンジンとともに統合して提供する。

これによって、数千タスクの自動化と即時実行可能なリソースの提供を数クリックで実現するとしている。

「PowerOne」の自律運用機能の中心となっているのが、「PowerOne Controller」という3台のコントラーラで提供されるオートメーションエンジンで、Kubernetesを活用するとともに、サーバ構成自動化ツール「Ansible ワークフロー」を利用することで、コンポーネントの構成設定とプロビジョニングを自動化し、顧客管理型の DaaS(サービスとしてのデータセンタ ー)を提供する。

  • 「PowerOne Controller」が制御

ほかにも、パッチやファームウェアの自動アップデート、スケールアップ/スケールアウト、ライフサイクルマネージメントなどを行うという。現在、サーバは240台まで管理可能で、より大規模なシステムでの利用を想定しているという。

  • Dell EMC CTO John Roese(ジョン・ローズ)氏

Dell EMC CTO John Roese(ジョン・ローズ)氏は、「われわれは、自動化の将来のアーキテクチャに向かっていく。インフラが自動化されたことによって人手による98%のマニュアル作業を削減する」と語った。

「PowerOne」が提供するAPIによって、目的特化型のリソースプールを構築でき、例えばサービスポータルなどの既存ツールにリンクさせることで、プログラミング可能な ITオペレーションを実現できるという。IaC(Infrastructure as Code)によって、ユーザーは、個々のコンポーネント管理システムにログインすることなく利用できるという。

「PowerOne」は現在注文受付中で、11月22日から全世界で出荷開始の予定。

Dell Technologies Chairman & CEO Michael Dell(マイケル・デル)氏は「2007年の米国のモバイルデータは1年間で86PBだったが、現在ではその容量は18時間で生成され、10年後には10分で生成される。そのデータをテクノロジを使って人々が使えるようにすることが、Dell Technologiesの目標だ。そのベネフィットをすべての人が享受できるようにしていく。しかし、現在データは複数のクラウドにまたがるなどサイロ化されている。Dell Technologiesは、サイロ化されたデータからインサイトを引き出せるようにしていく」と語った。

  • Dell Technologies Chairman & CEO Michael Dell(マイケル・デル)氏

ジョン・ローズ氏によれば、「PowerOne」は、マルチクラウドのハブとしてのハブとして役割をもつという。

 従量課金制モデル「Dell Technologies on Demand」を発表

また、同社は同日、従量課金制モデルを「Dell Technologies on Demand」にリブランドした。

これまでストレージに関しては課金モデルがあったが、今後「PowerEdge」サーバでも、新たに発表された「PowerOne」でもプロセッサベースの従量課金で月額料金で支払うことができる。

ユーザー企業は、これによりオンプレミス環境でも、IaaS(Infrastructure as a Service) として利用することができる。 また、デル プロサポートサービスなどでも利用できる。

「Pay As You Grow」、「Flex On Demand」、「Data Center Utility」の3つの支払いモデルがあり、パートナーによる再販も可能。 同社は、この支払いモデルは顧客に新たな選択肢を提供するものだとしている。

「Dell Technologies on Demand」を発表した米Dell Technologies Vice Chairman Products and OperationsのJeff Clarke(ジェフ・クラーク)氏は、Dell Technologiesが、クラウドからエッジまで幅広いポートフォリオを持っている点が他社との大きな差別化ポイントだとした。

  • 米Dell Technologies Vice Chairman Products and OperationsのJeff Clarke(ジェフ・クラーク)氏