デルとEMCジャパン(デル テクノロジーズ)は、エンタープライズ向けオブジェクト ストレージ「Dell EMC ECS(Elastic Cloud Storage) EX」シリーズにおいて、新たに「ECS EX500」を追加し、提供を開始した。

  • 「Dell EMC ECS」シリーズ

ECSシリーズにはこれまで、1ノードあたり12台のディスクドライブを搭載可能なエントリー向けの「ECS EX300」と、1ノードあたり最大90台のディスクドライブを搭載可能な大規模向けの「ECS EX3000」があったが、「ECS EX500」(以下、EX500)は、その間を埋めるもの。標準価格は6,350万円~。

  • 「Dell EMC ECS EX」シリーズのポジショニング

デル UDS事業本部SE部 アドバイザリシステムエンジニア 杉本直之氏は、「数PBクラスで経済性とパフォーマンスを発揮する製品」と説明する。

EX500は、同社サーバ「PowerEdge R740XD2」がべースで、8TBおよび12TBのディスクを1ノードあたり12~24ドライブ搭載できる。CPUには、Inter Xeon Silver 10コア 2.2Ghzを採用し、25GbEネットワークインタフェースを前後2つづつ、計4ポート搭載。最小は5ノード構成で、追加は1ノード単位で可能。1つのラック内で480TBから4.6PBの範囲で構成をスケールアップ可能。また、既存の「EX300」と同じラック・スイッチ構成が可能。

  • 「ECS EX500」の特徴

杉本氏は、8TBあるいは12TBのディスク、1ラックあたり12~24台のディスク搭載、1ノード単位の追加など、ニーズに応じた容量を確保できる柔軟性が大きな特徴だとした。

  • デル UDS事業本部SE部 アドバイザリシステムエンジニア 杉本直之氏

また、同時に「ECSソフトウェア」の最新バージョン3.4をリリースした。「ECS 3.4」は、高度なSTIG Hardening、外部暗号鍵サーバと連記による暗号化鍵管理のサポート、アラートのカスタマイズ化、従来のセキュリティー機能の拡張など、エンタープライズ環境の強化ののほか、モニタリング レベルの詳細化およびネイティブなGrafanaとの連携によるデータ視覚化機能を向上などデータへの可視性を強化した。なお、「ECS 3.4」は従来の「EXシリーズ」もサポートする。

  • 「ECS 3.4」

Dell Technologies APJ プリセールス ディレクター ぺ ヨンジュン氏は、「企業は、各地にストレージを設置し、データレイクのような一元管理ができていない。企業全体で共有していくために、このデータサイロをどう統合していくかだ。シングルプラットフォームであることによって、データの価値を享受できる。これまでは、パブリッククラウドを活用していたが、最近では、最適なデータ環境でないことに企業も気づき始めている。データセキュリティ、コンプライアンスの面からオンプレミスへの回帰が起きつつある。こういった課題を解決するのがECSだ」とアピールした。

  • Dell Technologies APJ プリセールス ディレクター ぺ ヨンジュン氏」