年末キャッシュバックキャンペーンを実施している、パナソニックのフルサイズミラーレス「LUMIX S」シリーズ。交換レンズはいまのところ4本をラインアップしていますが、今回は幅広い用途で活躍する望遠ズームレンズ「LUMIX S PRO 70-200mm F4 O.I.S.」をLUMIX S1Rに装着してインプレッションしてみました。

  • パナソニックのLマウントレンズではもっとも広く望遠域をカバーする「LUMIX S PRO 70-200mm F4 O.I.S.」(S-R70200)。実売価格は税込み19万円前後。キャッシュバックキャンペーンでは1万円のキャッシュバック対象となっている

LUMIX S PRO 70-200mm F4 O.I.S.は、開放F4通しの望遠ズームレンズです。標準ズームレンズ「LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.」(実売価格は税込み14万円前後)と組み合わせて使うと、24mmから200mmまで開放F4でさまざまな被写体をカバーできます。

70-200mmの望遠ズームというと、よくスポーツ撮影に用いられますが、このレンズは防じん防滴性能だけでなく、マイナス10度まで撮影可能な耐低温設計となっているので、これからの時期も安心して撮影に臨めます。別売のテレコンバーターにも対応しており、野鳥や航空機などの被写体の撮影にも向きます。LUMIX S1シリーズと組み合わせれば、手ブレ補正の効果が6.5段分に高まるのも頼もしい限り。低照度時の撮影でも、手持ちで安心してシャッターを切ることができます。

写りもズーム全域で良好だと感じました。ピント面はシャープですし、ボケ味もなかなかのもの。高速なオートフォーカスはピンポイントで合焦しますし、動物も認識してしっかりと追従します。LUMIX S1シリーズに装着すると重量バランスもよく、レンズのみで約985gという重さも数字ほど感じませんでした。外装の質感も高く、LUMIX S1をはじめLマウント機のユーザーなら手に入れたくなる1本に仕上がっているといえるでしょう。

  • 重量感のある外観とは異なり、気軽に振り回せるレンズです。LUMIX S1Rとのバランスも良好で、ファインダーをのぞいていると重さを苦痛に感じることはありませんでした。海外からの旅行者で賑わう上野~浅草界隈を撮り歩きましたが、狙ったところにスッと合焦するオートフォーカスと鮮やかな色再現が気に入りました(182mm相当、ISO100、1/160秒、F4.0)

  • テレ端で通りを狙います。遠近感の圧縮効果が楽しめるのは、望遠レンズならではの楽しみです。行き交う人々の様子とクルマのディテールがしっかりと写し取れました(200mm相当、ISO100、1/160秒、F4.0)

  • 地下鉄銀座線の車庫を門越しに撮影しました。手前に入れた門がキレイにボケています。車体の発色も現物に近く、リアルに感じます(135mm相当、ISO100、1/320秒、F4.0、-0.7補正)

  • 上野といえば、かつてはバイク街でした。高速の高架下には、バイク店やバイク用品店がズラリと軒を連ねていましたが、今はもうその面影はありません。わずかに残った用品店で品定めするライダーを撮りました。店頭の解像感と手前の横断歩道のボケがいいですね(200mm相当、ISO200、1/250秒、F4.0、-0.3補正)

  • 70-200mmというズームレンズの画角は、スポーツだけでなく街中スナップでも使いやすいレンジです。ちょうど通りの反対側を撮る時に最適だと感じます。パッとレンズを向け、ズーミングで構図をベストに調整できるからです(114mm相当、ISO320、1/250秒、F4.0)

  • 最短撮影距離は0.92m。賽銭箱に奉られたキュウリにフォーカスしてシャッターを切りました。合羽橋商店街近くならではのカットとなりましたが、そのみずみずしい感じがよく出ていますね(97mm相当、ISO160、1/125秒、F4.0、-0.3補正)

  • こちらの像にも、キュウリがお供えされていました。ひとつ絞って撮影しましたが、解像感がアップして像の細かいディテールが浮かび上がってきました(197mm相当、ISO500、1/250秒、F5.6、-0.7補正)

  • LUMIX S1Rの多彩なオートフォーカスモードは、動体を撮影するのにとても役立ちます。このレンズは、その期待に確実に応えてくれるのです。ハトなどの動物もしっかりと認識し、確実にフォーカスを合わせてくれます。キジバトの美しい羽根の感じと、背景の鉢植えのボケ具合がステキです(200mm相当、ISO400、1/250秒、F4.5、-0.7補正)

  • 上野から合羽橋商店街を通り、賑わいを見せる浅草付近まで歩いてきました。とある場所で、タヌキの巨大な置物を発見。その顔をチョイ絞りでクローズアップ。焼き物独特の質感がしっかりと捉えられました(148mm相当、ISO1250、1/160秒、F5.6、-1補正)

  • サッとレンズを向けるとパッと動物認識してくれるのは、ネコ好きにはうれしいところです。毛並みはもちろん、背景の写りもイイ感じですね。ワンランク明るいF2.8通しのレンズではありませんが、ハンドリングのよさと良好なオートフォーカス性能、美しいボケ味、テレコンバーター対応と、スペックと写りにスキはありません(200mm相当、ISO400、1/250秒、F4.0、-0.3補正)