角川アスキー総合研究所は、運営する販売サイト「アスキーストア」限定で、網膜に直接映像を投影するQDレーザ製ヘッドマウントディスプレイ「RETISSA Display II」の先行受注を10月15日に開始した。'20年2月に発売予定で、価格は27万2,800円(税込)。

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    ヘッドマウントディスプレイ「RETISSA Display II」

レーザ網膜走査技術「VISIRIUM(ビリジウム)テクノロジ」を採用した、単眼用のヘッドマウントディスプレイ(HMD)「RETISSA Display」(‘18年12月発売、税別59万8,000円)の後継機種。網膜上のビーム品質をチューニングして従来よりも細かな文字の判読性を向上させたほか、本体の軽量小型化や使い勝手の改善、低価格化も図った。

RETISSA Display IIで採用しているレーザ網膜走査技術は、微弱なRGBレーザーと、高速で振動する微小な鏡(MEMSミラー)を使い、眼鏡型のフレームに搭載された超小型プロジェクタから、片眼の視野中心部(水平視野角約26度、アスペクト比16:9)に直接レーザーを当てて映像を描き出す仕組み。720p(1,280×720ドット)相当/60Hzの映像を映せる。色再現性は256階調。

「原理上、装着者の視力(ピント調節機能)の影響を受けにくく、近視や遠視、乱視、老眼などがあっても眼鏡やコンタクトレンズなどを使わずに映像を見られる。また、背景と投影映像のピントずれがないAR(拡張現実)体験が可能になる」としている。

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    レーザ網膜走査技術「VISIRIUM(ビリジウム)テクノロジ」の原理(左)。背景と投影映像のピントずれがないAR体験のイメージ(中央、右)

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    RETISSA Display IIのプロジェクタ部

映像入力はHDMI×1で、PCやスマートフォン、タブレットなどから最大でフルHD(1080/60p)の映像を入力できる。従来よりも小型軽量化したコントローラボックスに、HDMI入力とステレオミニのオーディオ出力を搭載。HDMI対応の無線キャストアダプターなども接続でき、コントローラボックスのUSB Type-A端子から外部機器に給電できる。

HMDは軽量約24g(プロジェクタ、レンズホルダ除く)のシンプルなフレームを採用し、プロジェクタ固定位置の調整や、レンズの交換に対応。従来は右眼用、左眼用の2タイプがあったが、RETISSA Display IIではスイッチで画像を反転させてプロジェクタの取り付け位置を入れ替えることで、右目・左目のどちらでも使用できる。

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    HMDの側面

コントローラボックスに3,880mAhのバッテリーを内蔵し、屋外に持ち運んで利用できる。駆動時間は外部負荷なしで約200分、外部機器への電源供給時は約130分。本体はUSB microBで充電できる。

本体サイズと重さは、HMDが65×83.5×20mm(幅×奥行き×高さ)/約40g(ケーブル除く)、コントローラボックスが74×150×29.25mm(同)/約260g。HMDとコントローラボックスをつなぐケーブルの長さは0.9m(取り外し不可)。ACアダプターが付属する。