知らない人からいきなりAirDropで写真が送りつけられた、という話をよく耳にするようになりました。局部の写真を送りつける「AirDrop痴漢」は、海外では数年前から事例が報告されていますが、ここ日本でも残念ながら検挙事例が増えています。
一方、Twitterではかわいい動物の写真や美味しそうな食べ物の写真を送りつける事例が紹介されています。AirDrop痴漢は気味が悪いというか不愉快極まりない行為ですが、こちらは思わずほっこり。後々問題にならないのなら受け取ってもいいのでは? 迷ってしまいそうですね。
送りつけられた写真ですが、受け取ってもセキュリティ上の問題にはまずなりません。AirDropは、一般ユーザが確認できる場所に送受信の記録(ログ)を残さないため、写真を送りつけてきた相手が自分の個人情報(電話番号やiPhoneを特定するためのID)を調べる術がないからです。
AirDropは、Bluetooth LEとWi-Fiを組み合わせて近距離のファイル転送を実現します。消費電力がわずかなBluetooth LEで近くのAirDrop対応端末(iPhoneやMac)を検出し、データの受け入れを相手に問い合わせて許可が降りればWi-Fi/IPv6経由でファイルを転送します。IPv6アドレスを参照できれば相手を特定できる余地はありますが、ログを参照できなければ無理でしょう。
ただし、AirDropで相手に写真を送るとき、自分の端末名(設定アプリの「一般」→「情報」→「名前」に入力した文字列)を見られています。写真次第では受け取ることもバレていますから、これに味をしめ立て続けにかわいい動物画像が送られてくるかも……面倒に巻き込まれたくなければ、辞退するのが無難な選択です。