2011年の東日本大震災以降、休むことなく防災情報を発信しているTwitterアカウント「特務機関NERV」(@UN_NERV)が、スマートフォンアプリになった。ゲヒルンは9月1日(防災の日)、「特務機関NERV 防災アプリ」のiOS版をApp Storeにてリリース。利用料は無料。Android版は後日提供する。

  • 特務機関NERV 防災アプリ

    特務機関NERV 防災アプリ

特務機関NERV 防災アプリは、地震・津波・噴火・特別警報の速報や、洪水、土砂災害といった防災気象情報を、利用者の現在地や登録地点に基づき最適化して配信。Jアラート(国民保護情報)やダム放流通知などの情報も提供する。被害が予想される地域に居住する人や訪問者が状況を的確に認識し、迅速な判断・行動が取れるよう補助する目的で開発した。

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    アプリの画面イメージ。緊急地震速報の地域ごとの情報(中央)、雨雲レーダー(右)

端末の位置情報、防災情報の種類、緊急度等によって、音やバイブレーションを行なわない静かな通知、通常の通知、重大な通知を送り分ける。緊急地震速報(警報)や津波警報など緊急度の高い情報は「重大な通知」としてマナーモードやおやすみモードに設定中でも強制的に鳴動し、ユーザーに危険が迫っていることを伝える。なお、「重大な通知」はiOSの設定画面から無効にすることもできる。

提供する防災気象情報は、気象業務支援センター(気象庁本庁舎および大阪管区気象台内)と接続した専用線からダイレクトに受け取ることで情報の信頼性を担保し、ゲヒルンが独自に開発した技術により「国内最速レベルの情報配信」を実現するという。

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    アプリの画面イメージ(表示はデザイン制作時のサンプル)

アプリを開発したゲヒルンは、法人向け情報セキュリティサービスや、防災気象情報配信サービスを提供するセキュリティ会社。同社は東日本大震災から24時間365日休むことなく、「特務機関NERV」のTwitterアカウントなどで防災情報を発信。気象庁は「大雨・洪水警報の危険度分布」に係るプッシュ型通知サービスの協力事業者として同社を選定しており、アプリ内の大雨危険度通知機能は気象庁と協力して開発している。

アプリの名称は、アニメ作品「エヴァンゲリオン」シリーズに由来。劇中では使徒と呼ばれる謎の生命体に対処するための超法規的組織「特務機関NERV(ネルフ)」が、使徒の襲来を知らせる警報を発令する。また、ゲヒルンという名称も、ネルフの前身にして研究機関というかたちで劇中に登場している。

アプリのリリースにあたり、気象庁と、エヴァンゲリオンシリーズをはじめとする映像企画・製作を手がけるカラーが、それぞれコメントを発表している。

気象庁のコメント

気象庁は、国民のみなさまの生命・財産を守るべく、防災気象情報を提供しております。
今回、気象庁も協力させていただき、ゲヒルン株式会社さまから、その使命を共にする頼もしいアプリを世に送り出せることになりました。
このアプリでは、登録した場所の洪水や土砂災害の危険度をお知らせする「大雨危険度通知機能」にもいち早く対応いただいており、被害が予想される時にみなさまが自ら判断・行動ができるよう、防災情報が迅速・的確に届くように設計されています。
災害をもたらす現象は、使徒と同じように、いつも違った形で突然やってきます。このアプリは、そんな緊急時に、みなさまの避難の判断をしっかりと支援してくれるアプリです。

カラーのコメント

2011年の震災から8年が経ちますが、ゲヒルンさんのご活動は当時からずっと変わることなく進化し続けています。
アプリ名称やアイコンなど、一部に弊社作品『エヴァンゲリオン』の象徴的なデザインを取り入れていただいておりますが、ご利用者の皆様に、アプリの存在を少しでも身近に感じていただけるお手伝いができましたら幸いです。
前触れのない災害に対して準備すること自体が日常的になりますよう、アプリの頒布を応援させていただきます。