リンクスインターナショナルは8月22日、英国Planet Computers社のPDA「Cosmo Communicator」(コスモコミュニケーター)を日本市場に投入すると発表した。発売日や価格は調整中だが、早ければ2019年9月末にも販売を開始し、価格は10万円前後を予定している。
Cosmo Communicatorは、QWERTY配列の物理キーボードを備えるクラムシェル型デザインが特徴のモバイル端末。このキーボード(バックライト付き、日本では日本語キーボードのみ取り扱い予定)により、PCに近い入力環境が得られる。Planet Computers社がこれまで販売していた「Gemini PDA」の後継モデルであり、サイズ感などはそのままに、よりモダンなコンポーネント構成へ更新され高性能化したほか、特にAndroidスマートフォンとしての使い勝手を強化した。
初期搭載OSはAndroid 9で、Linuxの追加インストールも想定する。Sailfish、Debian、Kaliへの対応をうたっており、Androidとのデュアルブート環境も構築可能との説明だ。チップセットはMediaTekのHelio P70(8コア)で、GPUがMali-G72 MP3(800MHz動作)、RAM容量6GB、ROM容量128GB。Geminiからすべて強化されたが、本体サイズや重量はGeminiとほぼ同等で、W171.4×D79.3×H17.3mmの326gに収めた。
CosmoにおけるGeminiからの最も大きな変更は、クラムシェルを閉じた状態で活躍するサブ画面が追加されたことで、これによりスマートフォンとして格段に使いやすくなっている。メイン画面は5.99型フルHD+(2,160×1,080ドット)ドットのタッチパネル液晶で、その天板側に1.91型で有機ELのサブ画面を搭載する。サブ画面に隣接して指紋認証センサーや、電話の着信受けや通話終了に使えるタッチボタンも配置した。
主なインタフェースはUSB Type-Cを2基(HDMI出力可、ともに充電対応で、うち1基は高速充電のPump Express規格に対応)、無線LAN(802.11 ac/abgn)、Bluetooth 5.0、GPS、NFC、3.5mmミニジャックなど。カメラはサブ画面側のアウトカメラが2,400万画素で、メイン画面側のインカメラが500万画素だが、サブ画面にプレビューを映せるので、アウトカメラでのセルフィ―撮影ができる。
SIMスロットはNano SIM×2枚の物理SIMトレイと、内蔵のeSIMで最大3系統だが、eSIMは2枚目のNano SIMと排他になるので、実際は最大でデュアルSIMでの運用となる。またSIMトレイの2枚目のNano SIMの代わりに、microSDカードを搭載することもでき、追加ストレージとして利用できる。
日本市場向けに投入される今回のCosmoにおける、SIMの対応通信規格と対応周波数帯は以下の通り。これとは別に、海外流通製品ではLTE対応Bandに違いがあるので注意。
LTE FDD : Band 1/2/3/4/5/7/8/11/18/19/26/28/41/71
LTE TDD : Band 41
WCDMA : Band 1/2/5/8/A/F
CDMA : CDMA2000
GSM : 850/900/1800/1900MHz
Carrier Aggregation : CA_1/CA_3
ちなみに、Planet Computers社は、90年代にPDAで人気を博し、Symbian OSで知られる「PSION」の流れをくむ。かつてPSIONを創立したDavid Potter(デービッド・ポッター)氏や、PSIONでPDAのデザイナーをつとめたMartin Riddiford氏らが携わっている。