パナソニックは9月1日に、人気ドライヤーシリーズ「ナノケア」の新モデル「EH-NA0B」を発売します。価格はオープン。推定市場価格(税別)は30,000円前後です。プレス向けの体験説明会をレポートします。

  • ナノケア最新モデルのEH-NA0B。サイズは幅21.4×奥行9.2×高さ22.8cm、重量約575g。最大消費電力は1200W。カラーはルージュピンクとピンクゴールドの2色

髪への水分浸透量はなんと従来の1.9倍に!

パナソニックの高級ドライヤー、ナノケアシリーズは、この10年間で常に高級ドライヤーの人気ランキングでトップを争っている定番製品です。人気の理由は、髪を乾かすだけではなくケアできるところ。この「ケア」、パナソニックの独自技術「ナノイー」による髪の保湿効果です。

ナノイーとは、水に電圧をかけることで生成できるイオンのこと。最近は安価なドライヤーでもマイナスイオンを発生させられますが、ナノイーはこれらのマイナスイオンと比較して水分量が突出して多いのです。体積比ではなんと約1,000倍もの水分量があるといいます。この豊富な水分を蓄えた微粒子ナノイーが、髪のキューティクルの奥まで届いて髪を保湿。結果、髪の乾燥によるうねりやパサつきを抑え、艶のある健康的な髪に近づけるそうです。

  • ナノケアのカットモデル。赤い丸で囲まれた部分がナノイー生成デバイス

  • ナノイーがもつ豊富な水分を髪に届けることで、髪の乾燥による不調をケアするのがナノケア最大の特徴です

EH-NA0Bでは、ナノイー生成デバイスを改良し、従来の「ナノイー」から「高浸透ナノイー」へと進化させました。具体的には、従来は一点の電極から「ドーム」と呼ばれる円環状パーツに向かって放電する「コロナ放電」方式でナノイーを発生させていました。

新モデルでは、円環パーツに2点の突起を作り、この突起の先に放電を集中させる「マルチリーダー放電」を採用。より集中的・安定的な放電が可能になり、ナノイー生成量は従来モデルの約18倍まで増量できるといいます。ナノイーの総量が増えれば髪に送る水分量も増えるため、髪への保湿量もアップしているそうです。パナソニックによると、高浸透ナノイーは、従来モデルと比較すると約1.9倍の水分を髪に届けることが可能とのこと。

  • ドーム形状を改良することでナノイー発生量が18倍に。これにより髪への保湿量は1.9倍になるといいます

【動画】会場で流された動画。左が旧モデル、右が新モデルのEH-NA0B。EH-NA0Bで風をあてた毛束は、ナノイーの保湿効果によって表面が滑らかに変化。毛束をまとめていた指輪がスルンと床に落ちてしまいます。旧モデルでもナノイーは生成しているため指輪は落ちるのですが、EH-NA0Bと比較するとかなり長い時間が必要になりました
(音声が流れます。ご注意ください)

髪の専門家によるデモンストレーション

体験会の会場では、美髪アドバイザーの田村マナ氏によるトークセッションと、プロのヘアスタイリストによるEH-NA0Bを使ったデモンストレーションも行われました。

田村氏は「美しい髪はうるおいが重要」とコメント。美しく健康な髪は約11~13%の水分を保持しており、この水分が足りないと艶がなくなってパサついたり、うねりや切れやすい髪になるそうです。

髪が乾燥する原因は、日光に当たることによる紫外線の影響、カラーリングやパーマによるダメージ、ブラッシングによる摩擦、シャワーのあとに自然乾燥することで発生するダメージなどさまざま。これらすべてを解消するのは難しいため、ダメージをケアするナノケアのようなアイテムが重要としました。

  • 美髪アドバイザーの田村マナ氏(写真左)と、今回の開発にも関わったというパナソニック ビューティー・パーソナルケア商品課の岡橋藍氏(写真右)によるトークセッション

  • 田村氏は、髪の毛はメデュラという芯をコルテックスが覆っており、これをキューティクルが守るように囲っていると説明します。ただし、キューティクルはうろこ状なのでめくれあがったり、傷ついたりするとコルテックスまで乾燥してしまいます。これに対し、パナソニックの岡橋氏は、ナノイーは粒子サイズが小さいため、キューティクルの隙間まで入り込み保湿できるとコメントしました

トークセッション終了後は、プロの美容師によるデモンストレーション。モデルはナノイー非搭載のドライヤーで髪を乾かしただけの状態で、全体的にパサつき感があり、艶もほとんど確認できません。

デモンストレーションでは、向かって右半分の髪だけを濡らしてEH-NA0Bを試用しました。最初は髪を乾かすところからスタートしますが、EH-NA0Bは最大風量が1.3立方メートル/分。正直いえば最近の高級ドライヤーとしては超大風量とはいえません。しかし、ノズルから強風と弱風を同時に吹き付ける特殊な構造のため、一般的なドライヤーの風量(1.3立方メートル/分)よりも速乾性があります。

  • プロによるデモンストレーション。ノズル先がグレーの仕切りによって分かれており、異なる強さの風を同時に起こすことで、すばやく毛束をほぐしながら乾燥できます

髪が9割ほど乾いたら、ナノイーを吹き付けながら温風と冷風を交互に切り替える「温冷リズムモード」に運転切り替え。温風で髪をまっすぐにし、冷風で髪を固定することで全体的に艶が出るそうです。最後に「毛先集中ケアモード」に切り替えて、毛先だけに集中的にナノイーを吹き付け。毛先は一番乾燥しやすい部分なので、集中ケアすることで毛先の広がりが抑えられるそうです。

  • 乾燥しやすい毛先に「毛先集中ケアモード」で風を20秒ほどあてていました。ドライヤーは乾燥するからできるだけ短い時間で乾かすのが美髪の常識ですが、ナノケアはむしろ「風を当てた方がケアできる」のがすごいところ

  • デモンストレーション後のモデル。ブラシは使わず手ぐしだけでしたが、右側だけまとまって艶が出ているのがわかります

デモンストレーションでEH-NA0Bを使用したのは5分ほどの短い時間でしたが、あきらかにEH-NA0Bを使用した髪は艶があり全体的にまとまっていました。デモンストレーションをしたヘアスタイリストは「髪は乾いているのに(保湿されているので)髪の重さがずっしりと感じられる」とコメント。さらに、髪が早く乾くドライヤーは世の中に多く存在するけれど、髪をケアして、ここまで髪のまとまりを良くするドライヤーはないと、EH-NA0Bの使用感を絶賛しました。