家事の中でも一番重労働なのは拭き掃除ではないでしょうか。床をはいつくばって拭くのはツライ……。でも、湿度の高い梅雨や、裸足で歩く夏場は床が気になるので、しっかり掃除しておきたいですよね。

そこで、発売前から注目していたケルヒャー ジャパンの家庭用フロアクリーナー「FC 3d」を使ってみることにしました。FC 3dは業界初で初めて、常にキレイな水で給水しながら清掃し、汚れはタンクに回収するという独自の清掃メカニズムを採用したことが特徴です。

  • FC 3d

    立ったまま掃除ができる「FC 3d」

これまで給水可能な電動フロアモップはありましたが、汚水を回収できるタイプはありませんでした。キレイにしているようで、モップで汚れを拡げてしまう、ということがないというクリーナーがFC 3dなのです。

  • FC 3d

    専用スタンドに立てて充電

タンクに水を入れて運転を開始すると10秒に1回、自動でローラーに給水

FC 3dはコードレスタイプで、立ったまま水拭き掃除ができるスティック型クリーナーです。約4時間充電して20分ほど使えます(面積にして約60平方メートル)。

充電は専用の台に置いて行います。スティック部分を分離させて短くし、ローラーは専用スタンドに立てることで、コンパクトに収納できます。ただ、充電台ではなくスタンドなので、クリーナーを置くだけで充電できるわけではありません。本体の充電用差込口にプラグを抜き差しする必要があるのは少々面倒でした。

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    本体はスティック部分を外してコンパクトに充電

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    専用スタンドにはローラーを2本立てておけます

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    プラグを本体に差し込んで充電します

使用するローラーは2本で、予備も含めて4本付属していました。カラーは黄色と黒の2カラー。フローリング、クッションフロア、タイルなど、さまざまなハードフロアに対応しているため、例えば「黄色はキッチン」「黒は玄関」と、場所によって使い分けられます。本体に着脱するときは、カラーで左右が一目でわかるようになっているため、迷うことがありません。

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    ローラーはマイクロファイバー。起毛されており、ふさふさ

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    ローラーは2個使用

使うときは、あらかじめスティック部分にある給水タンクを外し、水を入れます。

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    給水タンクは細長く、簡単に外せます

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    給水タンクに水を入れます

電源を入れるとローラーが勢いよく回りだし、ローラーに水が供給されてウェットな状態に。ローラーには10秒に1回、ぽたぽたと給水タンクから水がローラーに供給されます。

【動画】勢いよくローラーが回転し、2カ所の穴から給水されていることがわかります
(音声が流れます。ご注意ください)

ローラーはマイクロファイバー製で1分間に500回転。水を含んだローラーの摩擦によって、ガンコな汚れまでこすり取ってくれます。

掃除を始めると自動回転するローラーが前に進む力をアシストし、運転操作中の重さを軽くしてくれます。重心は下にあるので、2.5kgの本体も重く感じません。

前に進む力が大きいので、引くときに力が必要ですが、それほど気になりませんでした。立ったまま掃除でき、さらに重さを感じないので、広い場所を掃除しても疲れることはありませんでした。

  • FC 3d

    ぐんぐん前に進む!重さは感じません

持ち手をひねることでヘッドを狭い場所に入れることも。ソファの下なども奥まで掃除できました。

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    倒してソファの奥まで掃除

グングン汚れを落として、汚水も回収!

コーヒー100mLを床にこぼして、ウェットシートとFC 3dで拭き取り比較をしてみました。ウェットシートは吸水率が低く、汚れを伸ばしてしまいましたが、FC 3dはきっちりと吸い込んでいます。

【動画】市販のウェットシートタイプのモップとFC 3dを比較。動画でチェック!
(音声が流れます。ご注意ください)

汚れを伸ばすことなく、吸い込むことができるのは、絶えずローラーを洗いながら汚水を本体に溜められる仕組みになっているから。掃除機のように吸引しているわけではなく、ローラーの起毛部分に金属製のブレードを当てて浮き上がらせ、その汚水をタンクに回収しているのです。

  • FC 3d
  • FC 3d
  • ウエットシートで拭いてみましたが、給水できず、どんどん広がりました

  • FC 3d
  • FC 3d
  • FC 3dは汚水を回収できるので、汚れを取りきれました

これまでの拭き掃除用電動フロアモップや拭き掃除用ロボットクリーナーは、汚水を回収することができませんでした。確かに床の汚れは落ちていますが、モップやシート、ローラーの部分は汚れが付着したままで、その汚れを拡げている可能性もあったのです。

しかし、FC 3dは違います。常にキレイな水を補給しながら、汚水を回収しているので清潔な状態を保つことができ、また汚れを拡げることはありません。掃除していても、今までにない感覚だったので驚きました。

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    カバーをはずしたところ

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    カバーには金属製のブレードがついており、ローラーに押し当てて汚水を回収します

ただし、給水タンクの容量が360mLなのに対して、汚水タンク容量は130mLしかありません。給水タンクの水がすべてなくなるまで掃除をすると、あふれ出てしまうので注意が必要です。

今回のように、床にこぼれた液体を掃除すると、あっという間に汚水タンクが満杯に。汚水タンクは内部で口が開いた状態なので、クリーナーを倒したり、角度を変えたりしているうちにこぼれる場合がありました。汚水タンクの溜まり具合は、掃除の途中にチェックする必要がありそうです。

洗う部品は多いが短時間で終わる

汚水タンクは本体から簡単に取り外せます。タンク内の汚れた水を捨て、カバーも汚れているので洗っておきます。

  • FC 3d

    汚水タンクには汚れた水が入っています

また、ローラーも外して洗います。ローラーは濡れていますが、ブレードで水分を回収しているので、外してもポタポタたれるようなことはありませんでした。マイクロファイバー製のローラーは、流水で軽く流すだけでも汚れがかなり落ちます。ガンコな汚れがついてしまった場合には、洗濯洗剤などでこするとキレイになりました。

洗ったローラーはしっかり乾燥させます。充電スタンドにローラーを2つ置けるスペースがありますので、そちらに置くか、風邪通しの良い場所に置いておきます。

  • FC 3d

    ローラーも洗います。マイクロファイバーで汚れも落ちやすい

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    カバーもサッと洗いましょう

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    ローラーは乾燥しておきます

FC 3dは、ウェットシートのように「捨てるだけ」というわけではなく、色々と洗うものも多く、メンテナンスが必要です。ただ、部品の取り外しは簡単で、洗うのも短時間で終わります。それほど面倒に感じることはありませんでした。

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    ローラーは緑と青でカラーが分かれているので、どっちに入れるのか一目でわかります

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    取り付けも簡単

汚水を回収し、短時間で床をキレイにできる唯一のクリーナー

一見するとFC 3dは、普通の電動フロアモップに見えますが、まったく構造が違います。マイクロファイバー製のローラーに給水しつつガンガン回し、汚水もしっかり回収するので、汚れが拡がることがなく、本当によく落ちます。

掃除した後は床がさっぱりして、花粉の時期、ジトジトした梅雨時期にも重宝しそう。リビング、玄関、キッチンなど、ローラーを使い分けて水拭き掃除を徹底的にやりたくなりました。立ったまま拭き掃除ができるのは、本当ラクです。

気になる電気代は1回の満充電でも1円未満です。床の拭き掃除でお悩みなら、今までのクリーナーとはまった違うFC 3dを検討してみてはいかがでしょうか。

石井和美

著者プロフィール
石井和美

白物家電のレビューを行う家電プロレビュアー。 2018年より家電をレビューするためだけの一軒家「家電ラボ」を開設。自身でも「家電Blog」を運営する。