◆ 3DMark
3DMark v2.9.6631
UL benchmarks
https://benchmarks.ul.com/3dmark
今回はプレビューということで、取り急ぎ3DMarkと消費電力変動だけをお届けしたい。その3DMarkであるが、6月25日にPCI Expressベンチマークを追加したv2.9.6631がリリースされた。もっとも今回はプラットフォームがそもそもPCI Express 3.0対応のZ390だし、GeForce RTXシリーズもまだPCI Express 3.0対応ということで、こちらは実施していない。余談ながら7月9日までの限定セールで、3DMarkのAdvanced Editionが85%オフの$4.99で発売中(SteamまたはUL Benchmarkから購入可能。UL Benchmarkでは、更にPCMark Advanced Edition+PCMark 10 Advanced Edition+VRMarkを$8.99で発売というキャンペーンも実施中)である。
前書きはこの位にして、結果を。今回の場合CPUは共通(Core i9-9900K)なので、OverallとGraphics Testの結果だけを示す。まずOverall(グラフ1・2)であるが、
RTX 2060 < RTX 2060 Super≒RTX 2070 < RTX 2070 Super
という傾向が明白である。RTX 2060 SuperとRTX 2070の性能差は微妙なところであるが、この結果であればNVIDIAの言う「RTX 2070のパフォーマンスにほぼ匹敵する」にはほぼ納得できるものがある。今回GeForce RTX 2080は手配できなかったので、GeForce RTX 2070 Superの性能がGeForce RTX 2080にどの程度肉薄するのかは不明(NVIDIAもこれについてのコメントが無い)であるが、悪くない結果と言える。
この傾向は、Graphics Test(グラフ3・4)でも同じ、というかより顕著である。特に負荷が高いFireStrike以降(グラフ4)で言えば、RTX 2070 Superの性能は飛び抜けている。またRTX 2060 SuperはわずかとはいえRTX 2070を凌ぐ性能になっており、明確にRTX 2060と異なるパフォーマンス領域に達していると考えられる。
グラフ5はFireStrikeに限って、Graphics Testの実フレームレートをまとめたものである。FireStrikeの場合、DirectX 11ベースではあるが、Performance(1920×1080pixel:以下2K)/Extreme(2560×1440pixel:以下2.5K)/Ultra(3840×2160pixel:以下4K)と解像度が変化しており、それぞれ2K/2.5K/4Kゲームのフレームレートの代表例の一つとしても利用できる。これで見ると、RTX 2060は2Kなら楽勝、RTX 2060 Super/RTX 2070は2.5Kがなんとか、RTX 2070 Superは2.5Kが大分快適といった感じで、4Kは厳しいものの、2,5Kまでの解像度ならそこそこプレイできそうな感じである。
◆ 消費電力
その3DMark FireStrikeのDemo実施中の消費電力変動を測定したのがグラフ6である。なんというか、きっちり消費電力が性能に比例しているというか、RTX 2060 SuperとRTX 2070の消費電力が綺麗に一致しており、RTX 2060は一段低く、RTX 2070 Superは一段高く、という傾向が判る。
このグラフ6の稼働中の平均消費電力と、無負荷で待機中の消費電力をまとめたのがグラフ7、差を取ったのがグラフ8となる。このグラフ8にはGPUだけでなくCPUやMemoryの分も含まれるから、全部が全部GPUの電力という訳ではないが、まぁ概ね傾向としてはグラフ6の傾向がそのままという感じである。やはりRTX 2070 SuperはRTX 2080並といったところ。プロセスを変更せず、動作周波数やSM数を変更してるだけだから、性能を増やすと消費電力が増えるのはまぁ止むなしだろう。
◆ 考察
今回は時間も迫っているために、Previewとして3DMarkだけの結果をお届けしたが、確かに製品ランクが一段上がった形だ。NVIDIA自身のラインナップで言えば、
以前 | → | 今後 |
---|---|---|
GeForce RTX 2080 Ti | → | GeForce RTX 2080 Ti |
― | → | GeForce RTX 2080 Super |
GeForce RTX 2080 | → | GeForce RTX 2070 Super |
GeForce RTX 2070 | → | GeForce RTX 2060 Super |
GeForce RTX 2060 | → | GeForce RTX 2060 |
という具合に、ハイエンド~ローエンドを4セグメントに分けていたものを、今回GeForce RTX 2080 Superを追加して5セグメントに分けたという形になる。一方、対AMDのラインナップで言えば、$379のRadeon RX 5700を$399のGeForce RTX 2060 Superで、$449のRadeon RX 5700 XTを$499のGeForce RTX 2070 Superでそれぞれ迎え撃つために、価格の差にふさわしい性能差を積み上げたというところだろう。厳密に言えば、GeForce RTX 2070 Superの対抗となるのは、動作周波数をやや積み上げた$499のRadeon RX 5700 XT 50TH Anniversary Editionなのかもしれないが、こちらは販売経路限定(AMD直販のみ)の製品で、あまり一般的ではないから、まぁRadeon RX 5700 XTが対抗馬ということになるだろう。
果たして「NVIDIAのこの目論見がうまく行くかどうか」の検証は、詳細なテスト結果を交えて後日お届けするので、もう少々お待ちを。