薄型テレビよりも圧倒的な大画面で楽しめることで、映画や舞台ファンを中心に人気があるのがプロジェクターです。投影サイズは60型~200型と大きいうえ、日中の明るい部屋でもコントラストの高い映像が楽しめる製品が多数派になり、投影のクオリティーは不満がほぼなくなりました。
ただ、プロジェクターは「投影するスクリーンの設置にお金と手間がかかること」「映像や音声の配線が面倒なこと」「プロジェクター本体を設置する場所の確保が面倒なこと」が欠点として挙げられます。これらの理由で導入をためらった人もいるでしょう。
それらプロジェクターの欠点をスッキリと解消した新趣向のホームシアター向けプロジェクター「dreamio EF-100」がセイコーエプソンから登場しました。スティック型STBとBluetoothスピーカーで配線は電源ケーブルだけ、投影はスクリーンいらずで天井に、本体は床に縦置きするだけ、ととにかく手軽。使いたい時だけ引っ張り出してサッと設置でき、「こんなに手間がかからないなら導入してもいいな」と感じさせました。
新設計のおしゃれな小型ボディを採用
EF-100の大きな特徴が、おしゃれなデザインの専用設計ボディを採用した点。フラットなスクエア基調のデザインは飽きがこないうえ、本体サイズはW210×H88×D227mmとコンパクトで凹凸もないので、使わない時は棚などにスッキリ収納できます。
しかし、おしゃれなデザインだけがEF-100の特徴ではありません。先ほども触れた「設置に手間をかけずに使える」という点が真の魅力なのです。
EF-100は標準でBluetoothを内蔵しており、BluetoothスピーカーやBluetoothヘッドホンを使えばサウンドがワイヤレスで楽しめます。いずれも、製品が続々と登場して選択肢が増えているほか、低価格化も進んでいるので、どの家庭にも1つや2つはあるはず。音声ケーブルの配線が省けることでプロジェクターの設置場所の制約がなくなるばかりか、部屋もスッキリします。
Fire TV Stickなどのスティック型STBが内蔵でき、電源も取れる
EF-100の見どころといえるのが、本体の背面にAmazon Fire TV Stickなどのスティック型STBを内蔵するスペースと電源供給用のUSB端子を設けた点。スティック型STBを本体内部のHDMI端子に接続し、さらに電源用のmicroUSBケーブルをつなぐことで、プロジェクターに電源ケーブルをつなぐだけで動画配信やゲームが楽しめるようになります。内部には冷却用のファンも搭載されていて、熱を持つスティック型STBをしっかり冷やしてくれるのは頼もしいと感じました。
Fire TV Stickを本体に収めることで、Amazonのプライム・ビデオはもちろん、NetflixやHulu、DAZN(ダ・ゾーン)、Abema TVなどのコンテンツがワイヤレスで楽しめます。デジオンの有料アプリ「DiXiM Play Fire TV版」(税込み1,404円)を導入すれば、各社のレコーダーに録画したデジタル放送がワイヤレスで視聴できるようになります。さらに、今年後半にはFire TV版のYouTubeアプリが復活する予定なので、EF-100をFire TV Stick専用機にしても満足できそうです。
本体を立てれば天井に投影でき、スクリーンいらず
本体の構造にも工夫が見られます。付属のメッシュ式カバーを装着すれば背面がフラットになり、背面を下にして本体を垂直に立てられます。特殊な金具やミラーなどを使わずに天井に投影でき、寝っ転がりながら映画が見られるようになります。棚などが場所を取っている壁と比べ、天井は広い面積が確保しやすいので、スクリーンいらずで手軽に楽しめるのがポイント。EF-100にはリモコンが付属しており、電源のオンオフも本体に手を延ばさずにできるので、寝る前に映画を見たい…という人も満足できます。EF-100の電源をオフにすればスティック型STBの電源も切れるのが便利です。
フットワークの軽いイマドキのプロジェクター
Wi-Fiで接続できるスティック型STBを使い、Bluetoothで音声を飛ばし、スクリーンなしで天井に投影できるEF-100は、ワイヤレス&スクリーンレスがもたらす手軽さやフットワークの軽さがイマドキで魅力的だと感じました。投影解像度はWXGA画質(1280×800ドット)でフルHDではないものの、自然な発色で投影できる3LCD方式なので、映画も不満のない画質で楽しめました。
実売価格は税込み10万円前後とやや値は張りますが、自宅だけでなく実家や旅行先に持ち込んで楽しめるので、さまざまなシーンで便利に活躍しそうです。この夏の「ちょっと欲しい」アイテムに加えたい1台といえるでしょう。