Googleは6月29日、インディー系ゲームデベロッパーを対象としたコンテスト「Google Play Indie Games Festival 2019」のファイナルイベントを開催した。インディー系ゲームデベロッパーの新作を対象とした企画だが、今年もユーザーの支持を集めたユニークな作品が選ばれた。
独立系デベロッパーにとっての大チャンス
スマートフォン用ゲーム市場は年々拡大しており、国際的にも非常に重要な市場となっている。多額の開発費をかけた大作も続々と登場しているが、一方で「Angry Birds」や「ねこあつめ」のように、個人や小規模なデベロッパーが思わぬ大ヒットを飛ばす例も多い。小規模なデベロッパーでも大きなメーカーと互角に戦い得るのがスマホゲーム市場だ。
本イベントは、そんな独立系デベロッパーから「明日のヒットメーカー」を探すイベントとして、ゲーム大国である日本で、世界に通用する草の根デベロッパーを開拓するのが目的だ(なお、日本のほかヨーロッパ、韓国でも開催されている)。Googleだけでなく、集英社やエイベックス、東宝といったメディア/コンテンツホルダーも協賛しており、各社からの開発資金援助やIP(商標)のゲーム化といったビジネスチャンスにも直結している。
今年は3月13日から5月6日までの応募期間が設定され、その中からファイナルイベントにはトップ20作品が選出された。企業が開発したものから、個人やサークルなどで開発されたものまで様々だが、クオリティ的にはいずれも甲乙つけがたいものが集まった。ファイナルイベントでは、会場を訪れたユーザーが実際にブースでプレイしたりプレゼンを見たりしたところで投票をして、上位に選ばれた10作品からさらにグランプリ3作品が選ばれるという形式をとる。
以下にトップ20作品(50音順)を紹介するが、筆者が実際に試遊した感想も一言コメントに付けてみたので参考にしてほしい。
全体の感想としては、「これは○○系」という類型にはめられるタイトルが多く、比較的オーソドックスなスタイルのゲームが多く残っているな、という感じだ。本音を言えばインディー系タイトルにはタイプ分けが不可能な斬新な(またはカオスな)アイデアを期待しているのだが、一方で趣旨を理解してもらいにくいというデメリットもあるため、止むを得ないのだろう。
また、VRやARを使ったゲームも応募可能だが、そういった作品はファイナルイベントには登場しなかった。機材調達も含めて開発が難しいこともあるが、こうした先進的なゲームが支持を得るには、まだ環境が整っていないということもあるかもしれない。