「ヒーローにならないか?」と担当編集からソフトを渡された。太った40代のオッサンがヒーローって……と思ったが、プレイしたら私は確かにヒーローになった。私自身が特殊部隊の技能を身につけたと錯覚するほどのガンアクションがそこにはあった。そのソフトは「ライアン・マークス リベンジミッション」。正直オススメです。
ライアン・マークス リベンジミッションは、一人称視点のPS VR専用アクションゲーム。プレイヤーはエリート特殊部隊員のライアン・マークスとなって、ロンドンを舞台にギャングを相手にして撃って撃って撃ちまくる爽快VRシューティングアクションゲームだ。なんと言っても魅力的なのは、ハリウッド映画の主人公気分が味わえること。登場人物が全員が全員、いかにも映画に登場しそうなノリのやつらばかり。もったいぶったしゃべり方をするやつ、いつも調子に乗ったしゃべり方のやつ、突然現れて友好的な態度を見せながら主人公一家を追い込む敵方、すべてが大げさ、いかにもな展開でついついニヤッとしてしまう。
そして一家のピンチとなれば暴れ回るのがライアン・マークス。敵のアジトに乗り込んで撃ちまくるワケである。気分は完全にコマンドー(1985年米公開)。そしてショットガンを持てば、完全にターミネーター2(1991年公開)のT-800気分。どっちもシュワルツェネッガー主演の映画です。感覚が完全にオッサンですね。まあ、それぐらい気持ちいいワケです。
さて、本作はPlayStation Move モーションコントローラー(2本)でプレイすることが強く推奨されている。というのも、銃を撃ったり、ハシゴを登ったり、ドアをピッキングして空けたりといったアクションはモーションコントローラーでプレイしたほうが断然臨場感があるからだ。銃は最大4丁まで持てるが、モーションコントローラーなら拳銃であれば腰から抜いたり、マシンガンなら背中から取り出したりといった動作がリアルに行える。二丁拳銃でバンバン撃ちまくるのもモーションコントローラーならではの気持ちよさだ。ゲーム内では、爆弾を設置したり、監視カメラのモニターをボタンで切り替えたりといったシーンも存在するが、それもモーションコントローラーでプレイしたほうがリアリティがありますね。
もちろん、DUALSHOCK 4(PS4のコントローラー)では、銃の切り替えをワンボタンで行えるなど、コントローラーならではのよさはある。しかし、主人公ライアン・マークスとプレイヤー自身の一体感を満喫するならモーションコントローラーだ。
敵のボスの弟を追ったり、隠れ家に潜入したりといったミッションをこなしていくことになるが、移動は画面内に矢印で表示された地点へボタンを押すことで自動的に歩いて行く方式を採用している。自分は動かないのに、ゲーム内だけが歩いて移動するという状態は最初こそ違和感を感じる。そこは一人称視点のVRゲームならではの感覚だが、数分もプレイすればすぐに慣れた。
それにモーションコントローラーで敵を狙うのも最初こそうまく当たらずに苦労したが、プレイしていくうちに敵が出てきた瞬間、感覚だけで狙い撃ちできるようになった。そこまでくれば、気分は完全にハリウッドスター。撃ちまくって倒す快感に酔いしれられる。運動不足のオッサンだってエリート特殊部隊員になれてしまうワケだ。
敵が大量に登場してピンチになっても時間がゆっくりと進む「スローモーション」を発動すれば、敵を一気に狙い撃ちできる。飛んできた手榴弾を空中で撃ち抜くなんて、映画さながらのアクションもできてしまうワケだ。さらに投げたマガジンを空中でキャッチして銃をリロードするといった「ガントリック」も用意されており、自らのヒーロー感をより高めることもできる。
バリバリのアクションだけではなく、主人公のアジトでは武器のカスタマイズやカラーリング変更といった改造も楽しめる。ステージ内にはさまざまなアイテムが隠されているなど、やり込み要素も用意。ストーリークリア後もすべての的を撃つまでのタイムアタックを競うモードがあり、やりこみ要素が用意されているのもうれしいところ。
本作はVRならではの直感的な操作と臨場感が楽しめるアクション大作だ。映画のような主人公気分というかヒーロー気分を味わいたいならプレイして損はない! そして次回は撃ち合いから一気に方向転換し、みんなのGOLF VRに挑戦してみたいと思う。