カードサイズというだけで尊いのです!

どう考えても使いにくいわけですよ、Palm Phone。後述しますがスペック的にもアレレなところがありますし。でもカードサイズと聞いただけで気絶して、気づいたらPalm Phoneが手中にありました。理性では3.3インチディスプレイなんて常用できないよなぁとわかっていますが、手に持つと愛しくて、尊くて、たまらないのです!

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    カードサイズ的なものと並べて見ました。手前の「MINTIA(ミンティア)」が、ちょっと厚いですけども、前面投影面積的には近かったです

スペックはそこそこ、メモリーカード非対応は残念

さてまずはおさらいから。「Palm Phone」は3.3インチディスプレイを搭載する超小型サイズのAndroidスマートフォンです。本体サイズは50.6×96.6×7.4mm、重量は62.5g。SoCは「Qualcomm Snapdragon 435(MSM8940)」、メモリー(RAM)は3GB、ストレージ(ROM)は32GBを搭載しています。このほかの詳細なスペックについては下記をご覧ください。

Palm Phoneのスペック

  • OS:Android OS Oreo 8.1
  • CPU:Qualcomm Snapdragon 435(MSM8940)
  • メモリー(RAM): 3GB
  • ストレージ(ROM):32GB
  • ディスプレイ:3.3インチHD液晶(1,280×720ドット)
  • カメラ:リア1,200万画素、フロント800万画素
  • Wi-Fi:IEEE 802.11 b/g/n(2.4GHzのみ)
  • Bluetooth: Bluetooth 4.2 Low Energy
  • センサー:ジャイロスコープ、GPS、近接センサー、光センサー、デジタルコンパス
  • 対応周波数:2G GSM 850/900/1800/1900、3G UMTS B1/2/5/8、4G FDD B1/3/7/8/20
  • 対応SIM:nanoSIM
  • バッテリー:リチウムイオンバッテリー(800mAh)
  • 動作時間:連続通話時間最大3時間20分、連続待受時間約72時間
  • 充電時間:約31分で50%、約68分で100%
  • サイズ:50.6×96.6×7.4mm
  • 重量:62.5g
  • 防水防塵:IP68
  • 付属品:USB Type C充電ケーブル(1m)、ACアダプタ(5V/1A)、SIMトレー取り出しピン

残念ポイントは、Wi-Fiが5GHz非対応、対応周波数が少ない、バッテリーが800mAhとちっちゃい、メモリーカード非対応などなどです。でもいいんですよ、ちっちゃいんだもの。その一点ですべてが許されるのです。

まあマジメな話、ボディサイズがここまで小さいのだから、特にバッテリー容量とメモリーカード非対応に文句を言うのは野暮ってものです。

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    小さくて可愛いからすべての残念ポイントをありのまま受け入れます!

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    背面には「PALM」のロゴが。昔ながらのファンとしてはオリジナルロゴのほうが好きですねー

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    ソフトウェアQWERTYキーボードはさすがにシビアですが、フリック入力ならワタシの太い指でも余裕です

さっそくベンチ、こいつ(結構)動くぞ!

まずはベンチから見てみましょう。今回は「AnTuTu Benchmark」、「Geekbench 4」、「3DMark」を実行してみました。

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    「AnTuTu Benchmark」のトータルスコアは59688

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    「Geekbench 4」のMulti-Core Scoreは2867

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    「3DMark」のSling Shot Extreme -OpenGL ES 3.1は328、Sling Shot Extreme -Vulkanは350

5月9日時点の「AnTuTu Benchmark」のランキングを見てみると、「Snapdragon 855」を搭載する「Galaxy S10」のトータルスコアは358845です。つまりPalm Phoneのパフォーマンスは、あくまでもスコア的にはGalaxy S10の1/6ということになります。でも使っていてもっさり感はないですよ。低負荷設定にすれば「PUBG MOBILE」も遊べます。

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    「PUBG MOBILE」を実行すると、デバイス負荷が低い「快適画質」に設定されます

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    画面が小さいので操作が激ムズですが、PUBG MOBILEも特に遅延などが気にならずにプレイできます。ちゃんとプレイできるか確認するために「1キル」しましたよ。脱線しますがこの絵面は、2インチディスプレイ搭載携帯ゲーム機「GAMEBOY micro(ゲームボーイミクロ)」を彷彿とさせますねぇ

ただし、ゲームのロードはかなり遅くて、PUBG MOBILEが起動するまでに1分17秒かかりました。「Pixel 3 XL」では29秒で起動するので、Palm Phoneでは約2.7倍の時間がかかるわけです。ゲームデータにアップデートがあると、Wi-Fi速度が遅いためさらに待たされることになります。Palm PhoneであえてPUBG MOBILEをプレイする奇特な方はいらっしゃらないとは思いますが、大容量ゲームをプレイする際にはご留意ください。

ちょっとビックリするレベルのカメラ画質、夜景はちと苦手

さてPalm Phoneを10連休中メイン端末として使ってきましたが、一番驚かされたのはカメラ画質。超小型スマホってカメラがおざなりな端末が多いのですが、Palm Phoneのカメラ画質は控えめに言ってグレイト、普通に言ってもグレイト。つまり解像感、発色ともにまったく不満はありません。10連休中はあえてほかのスマホカメラは封印していましたが、それがストレスになることはありませんでした。画素数はリア1,200万画素、フロント800万画素です。

ただ暗所撮影はちょっと苦手みたいですね。ここはバッド。夜景を撮影すると自動的に「NightMode」に切り替わりますが、暗所にノイズが目立ち、また明るい部分が白飛びしています。ぜひソフトウェアアップデートで暗所撮影性能を向上させてほしいところです。

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    Palm Phoneで撮影(アウトカメラ)

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    Palm Phoneで撮影(アウトカメラ)

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    Palm Phoneで撮影(アウトカメラ)

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    Palm Phoneで撮影(アウトカメラ)

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    Palm Phoneで撮影(アウトカメラ)

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    Palm Phoneで撮影(インカメラ) ※友情出演の「ナベコさん」。快く本記事用の撮影をご了承いただきました

Osmo Pocketのファインダーとして優秀

ボディーサイズが小さく、そして軽いPalm Phoneは携帯性に優れますが、ファインダーとしても優秀です。たとえば3軸スタビライザーカメラ「Osmo Pocket」にPalm Phoneを着けてみると、小型ファインダーとして超便利です。ただしOsmo Pocketは重量が116gですが、Palm Phoneは62.5gと圧倒的に軽いので、Osmo PocketとPalm Phoneのコンビでは、Osmo Pocketを持ったほうが端子部分に与える負担が少ないです。

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    62.5gと軽いPalm PhoneはOsmo Pocketに最適なファインダーです

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    サーモグラフィーカメラ「FLIR ONE Pro」と接続。こんだけ小さいとまるでスパイ道具みたいです

対応バンド少ないけど、行動範囲内では使えました

実用上一番の不安点は、3GがB1 / 2 / 5 / 8、4GがB1 / 3 / 7 / 8 / 20と対応周波数が少ないこと。郊外ではアンテナが立たない場所が多いのではと予想していましたが、10連休中に群馬県の名山「赤城山」に行ってみたところ、特に使えずに困ることはありませんでした。とはいえ対応バンドが少ないのは事実ですし、赤城山の小沼付近で使えたのはたまたまかもしれません。しかし想像していたよりつながるじゃん……というのが率直な感想です。

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    ドライブしながら停車したときに電波状況を確認しただけなので赤城山付近をすべてチェックしたわけではないですが、小沼周辺では問題なくつながりました

iPhoneのサブ機に最適な「ストラップスマフォン」!

バッテリー(800mAh)が心もとないのは間違いないです。フツーのスマホのつもりで使っていると帰宅までバッテリーがもたないので、モバイルバッテリーなどの充電手段は必須です。しかし、超小型&軽量ボディーにPUBG MOBILEを遊べる処理性能と、高画質なカメラを搭載している点でPalm Phoneは唯一無二の端末です。

メイン端末にはちょっと厳しいですが、懐かしのエイビット製「ストラップフォン」ならぬ「ストラップスマフォン」として、iPhoneなどのサブ機として活用してみてはいかがでしょう? ちなみにワタシは10連休後にメイン端末をiPhoneに戻しましたが、Gmail専用端末としてPalm Phoneを使い続けています。

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    iPhoneをサポートするサブ機として極小のPalm Phoneは最適です!