Qualcommは4月9日(米国時間)、ミドルレンジスマートフォン向けのプロセッサ「Snapdragon 730」「Snapdragon 730G」「Snapdragon 665」を発表した。いずれもAI性能を強化。これらを搭載したスマートフォンは2019年中ごろに発売されるという。

  • 左から「Snapdragon 665」「Snapdragon 730」「Snapdragon 730G」

Snapdragon 730

製造プロセスは8nm。CPUコアにKryo 470、GPUにAdreno 618を採用する。CPUコアでは、従来のSnapdragon 710と比較して、最大で35%の性能向上を実現。さらにグラフィックスでは20%の消費電力削減を可能とするほか、Snapdragon 7シリーズとして、初めてVulkan 1.1を統合した。

また、 4世代目となるマルチコアAI Engineを搭載し、AIやXR(eXtended Reality)を処理するDSP「Hexagon 688」は、AI向けのアクセラレータ「Hexagon Tensor Accelerator」をサポート。Snapdragon 710比で2倍のAI処理性能を備える。

ISP(画像処理プロセッサ)である「Spectra 350」では、上位の「Snapdragon 855」などと同様に画像認識用のCV(Computer Vision)ISPを組み込み、画像認識時の電力消費を低減。4K HDR動画をポートレートモードでキャプチャできるとしている。

モデムはSnapdragon X15 LTE。ダウンリンクは最大800Mbps。Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)をサポートする。

Snapdragon 730G

Snapdragon 730をベースとして、ゲーム用途向けに最適化した製品。強化されたAdreno 618によって、Snapdragon 730と比較してレンダリング性能を15%向上している。また、HDR表示をサポートする。

また、チートプログラムを防ぐ「Anti-Cheating Extensions」、プレイ中のカク付きを抑えるJank Reducer、ロード時間の高速化といったゲーム向けの機能を搭載。さらにWi-Fiレイテンシーマネージャーによって、オンラインゲーム時の無線LAN設定を最適化するしている。

Snapdragon 665

製造プロセスは11nm。CPUコアはKryo 260、グラフィックスはAdreno 610 GPUを搭載。DSPはHexagon 686で、AIエンジンは第3世代のものを採用し、AI処理性能はSnapdragon 660と比較して2倍になるという。

ISPの「Spectra 165」は、シーン認識とHDR撮影をサポート。モデムはSnapdragon X12 LTEで、ダウンリンクは最大600Mbpsとなっている。