まず大前提として、現在利用されている二次電池(充電して使うタイプの電池/バッテリー)は、充放電を繰り返すうちに性能が劣化していきます。これはiPhoneに内蔵のリチウムイオンポリマー電池も例外ではなく、フル充電サイクル(バッテリー容量の100%に相当する電力を使い切ること)を500回ほど繰り返すと、使い始め時点の容量の約80%にまで最大容量が低下します。
この最大容量の低下は、リチウムイオンポリマー電池内部の素材が化学変化したことによるもので、もとの性能には戻せません。つまり、いちど低下してしまったバッテリーの最大容量を増やすことはできず、iPhoneを使い続けるうちにバッテリーに蓄積可能なエネルギー量は減少していきます。
ただし、アプリでバッテリーの最大容量低下を知った場合、その数値を回復する余地はゼロではありません。充放電に伴う化学変化と最大容量低下は止められませんが、バッテリー最大容量が少なすぎる気がする、という場合に試す価値はあります。
その方法とは、iPhoneのリセットです。まずは『設定』→「バッテリー」→「バッテリーの状態」の順に画面を開き、システムが認識している最大容量をチェックしましょう。明らかにおかしいと感じる場合には、バックアップを作成したうえで『設定』→「一般」→「リセット」の順に画面を開き、「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップします(アプリは消えます)。再起動してもバッテリーの最大容量に違和感がある場合は、ハードウェアの異常が疑われますから、Apple Storeなどでバッテリー診断を行いましょう。
なお、完全放電してから充電し直すというバッテリーリフレッシュ法は、主素材がリチウムのバッテリーには意味がありません。かえってバッテリーの寿命を短くしてしまう可能性があるため、避けるべきです。