大きな自然災害があったことを後世に知らせる石碑や供養塔の場所が一目で分かるようにする「自然災害伝承碑」の地図記号を国土地理院が新たに制定した。4月以降、全国の自治体から碑の由来や位置などに関する情報を収集、6月にはウェブ版の「地理院地図」で公開し、9月には「2万5千分の1地形図」に記号を掲載するという。

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    広島県坂町小屋浦地区に建つ自然災害伝承碑(国土地理院提供)

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    自然災害伝承碑の地図記号の表示イメージ(国土地理院提供)

国土地理院によると、昨年7月の西日本豪雨災害で甚大な被害を受けた広島県坂町には、111年前に起きた大水害の被災状況を伝える自然災害伝承碑が建立されていた。しかし、地域住民からは、碑の存在は知っていても碑文を読んで伝承内容を深く考えたことはなかった、などという声が聞かれたという。同様の碑は全国の火山や津波、土砂災害などの自然災害現場に建てられて災害内容を伝えているが、これまで地図上では碑の一部が人物の功績をたたえる立像などと同じ「記念碑」の記号で表されていた。

国土地理院は、昔の人たちが後世に伝えようとした自然災害の教訓を正しく知ることが、災害への「備え」を充実させ、災害による被害の軽減に貢献すると判断し、新しい地図記号を制定することを決めた。同院は、地域住民による防災意識の向上や防災教育に役立ててほしいとしている。

2011年3月11日に起きた東日本大震災で東北地方の太平洋側沿岸で甚大な被害が出た際には、被災地に過去、大津波があったことを伝える碑がいくつもあったことが報道された。

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