Open Source Initiativeは2月26日(米国時間)、「The Value of Open Source Software In Higher Education|Open Source Initiative」において、高等教育機関におけるオープンソース・ソフトウェア(OSS)の重要性を説明した。

制度上の柔軟性を確保するためやイノベーションを起こすために加え、学生の借金が急増している現状において、OSSは重要な価値を持っているという。

記事では、OSSが採用される大きな理由として、ライセンス料金が不要であるという点を挙げている。これは、学生の借金が急増している現在において重要な点だと指摘している。また、高等教育機関の予算にも限りがあるため、導入にかかるさまざまなコストを加味したとしても、OSSを利用することが高い価値を持っていると説明している。

  • 資料: Open Source Initiative提供

    資料: Open Source Initiative

そのほか、ニューヨーク大学がオープンソースソフトウェアを導入した成功事例を紹介している。同大学では、以下のように、次の5つのステージに分けて導入作業を行ったことで、教職員の高い満足度を実現できたという。

  • 詳細な調査を行うとともにユーザーにコンサルティングを行う
  • 要望に対して優先順位を評価する
  • ソリューションを構築する
  • 開発の成果物を大元のコミュニティへバックポートする
  • ユーザーの要望を満たすようにソリューションを展開する

記事では、OSSを活用するとともに、開発の成果物をオープンソースコミュニティに還元していくことで、将来発生するメンテナンスコストを削減できるとしている。

コストが安いという理由でOSSを活用する組織は多いが、そこからさらに進んでコミュニティと友好な関係を結び、成果物を大元にマージしていく作業まで行える企業や組織はそれほど多くない。しかし、こうした作業を実現できている組織は将来のメンテナンス費用を低減でき、さらにコミュニティと友好な関係を築くとともに、よりよいエコシステムの中で活動を行うことができると考えられている。