格安スマホながら独自のユニークな発想とその開発力により、子ども、シニア層の見守り機能を充実させてきたトーンモバイルが、新端末「TONE e19」を発表しました。子どもの位置情報や行動内容を細かくチェックできる機能などを盛り込んでいます。価格は税抜19,800円で、発売日は3月1日となっています。

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    トーンモバイルが新端末「TONE e19」を発表しました

新端末「TONE e19」、その特徴は?

スマートフォンにも”AI搭載”をうたった製品が増えてきました。発表会に登壇した代表取締役社長CEOの石田宏樹氏は、その傾向について「SiriやGoogleアシスタントのようにソフトウェアで提供する便利なサービス、AIカメラのようにハードウェアで提供する便利なサービス、Touch IDやFace IDのようにハードウェアで提供する安心・安全なサービス」があると分析した上で、トーンモバイルでは、まだ他社が手をつけていない「ハードウェアとソフトウェアで提供する安心・安全なサービス」の分野に注力していくと説明します。

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  • トーンモバイル代表取締役社長CEOの石田宏樹氏は、AIの活用方針について説明

TONE e19は5.93インチのAndroid端末。その名も”AI Phone”というコードネームで開発を続けてきたそうです。セキュリティが強化されており、指紋認証のほか、新たに顔認証にも対応しました。

なお指紋認証はロック解除時だけでなく、アプリの起動時にも設定できることが特徴です。これにより、例えばスマホをつけっぱなしでテーブルに置いたまま席を離れてしまい、第三者がこっそりアプリを起動させたとしても、指紋認証を求める画面が立ち上がるので、アプリの中身が覗かれることがありません。LINEやFacebook、Gmailなどは個人情報の宝庫ですから、こうした機能があるとより安心できそうですね。

  • ディスプレイの比率は19:9の縦長。解像度はHD(1512×720ピクセル)、本体サイズは約153.6×73.1×8.9mm、重量は約167.5gとなっています

  • アプリを起動させるときに、指紋認証を求めるよう設定することが可能です

顔認証の精度と速さは? 早速、実機で試してみました

  • 上端にはイヤホンジャックを搭載。ダブルレンズのでっぱりは、気にならない程度でした(左)。下端にはmicr USB端子を備えています(右)

今後、家族の安心・安全に配慮した機能とサービスが充実されていく通称”AI Phone”ですが、発売時にはその第1弾「TONEあんしんAI」が利用できる見込みです。これは子どもの位置情報、行動把握などの履歴をAIが分析して、保護者に「この機能を制限した方が良いかも知れませんよ」とレコメンドする機能。

実際、どのような使い勝手になるのでしょうか? 子どもにTONE e19を持たせたときに実現できる、いくつかの利用シーンについて紹介していきましょう。

TONE e19を子どもに持たせたくなる理由

「TONEあんしんAI」では、例えばTONE e19が収集した位置情報の履歴により、子どもがよく滞在する場所が明らかになります。このときAIは「ジオフェンス登録にオススメ」なスポットとして保護者にレコメンドします。それが学校や塾であった場合、保護者はTONE e19の利用を制限することが可能です。

ジオフェンスとは、特定のエリアに入った際に、スマホの機能を制限できるトーンモバイル独自の技術。これにより「塾にいる間はゲームアプリの使用を禁止する」「でも親と連絡するためのLINEは使用できるようにする」といった細かいカスタマイズが実現できるでしょう。

  • AIが「ジオフェンス登録にオススメ」なスポットをレコメンド。子どもがその範囲に入ったときにアプリを使用させない、といった使い方が実現します

またAIは、子どもが「よく使うアプリ」「よく見るWebサイト」を保護者にレポートし、「アプリ利用制限」「Web制限」をレコメンドする機能を実装。このほか、子どもがよく”歩きスマホ”をしているエリアを特定して「ジオロック」(機能を使えなくする)登録をレコメンドすることもあるそうです。

  • プリインアプリの様子

このほか、本体のスペックについても、簡単に触れておきましょう。まずカメラ周りについてですが、アウトカメラが1200万画素+500万画素のダブルレンズ、インカメラが800万画素という仕様。CPUはSnapdragon 450(1.8GHz)のオクタコア、ROMは32GB、RAMは3GBとなっています。

通信はデュアルSIMデュアルスタンバイ(LTE+3G)に対応しており、海外旅行時には現地SIMを挿れることも可能です。バッテリーは4,000mAhの大容量。なおワンセグ、防水・防塵には対応していません。またNFC対応ながらFeliCaは非対応です。

TONE e19は、本稿で紹介した「TONEあんしんAI」に最適化された形で提供されます。2月14日よりオンラインで事前受付を開始したほか、TONEを取り扱うTSUTAYA店頭およびカメラのキタムラ店頭で先行予約が始まっています。

  • カメラのキタムラでも取り扱いが拡大中

AIの活用方針が独特で、ユニークな進化を続けているトーンモバイルのフラッグシップ機ですが、既述の通り最新端末TONE e19の価格は19,800円とリーズナブルです。現行のTONE m17が34,800円なので、より安さが際立っています。発表会で石田社長は「iPhone XS 64GBモデル1台のお値段で、TONE e19が5.7台購入できます」とアピールしていました。