オーディオ共有サービスSoundCloudが、同サービスへのアップロード数が2億トラックを超えたことを発表した。2億番目の曲は、フランチェスカ・ロンバルドの「Eye Ring」だった。

2007年にドイツで始まったSoundCloudは、誰でも自由にオーディオをアップロードして共有できるサービスとして、アーティストや音楽ファンの支持を広げてきた。無名のミュージシャンやバンドに楽曲を発表するチャンスをもたらし、中でもヒップホップで数多くのラッパーがSoundCloudから音楽シーンに登場した。また、ビヨンセやドレイク、チャンス・ザ・ラッパーといった大物アーティストも活用。「オーディオ界のYouTube」のような存在となって、世界最大のオーディオプラットフォームに成長した。

配信曲数を単純に比べたら、Apple Music (4500万曲以上)、Sporify (3500万曲以上)を大きく上回る。ただし、マッシュアップやリミックス、DJミックスといったグレイゾーンのトラックが多く、著作権に関する議論を広げているという点でもかつてのYouTubeに重ねられている。

  • フランチェスカ・ロンバルド

    シングルがSoundCloudの2億トラックになったフランチェスカ・ロンバルド

アーティストと音楽ファンに支持されてSoundCloudコミュニティの価値は上昇したが、一方で経営は赤字から抜け出せず、一昨年に経営破綻が現実味を帯びてきた時にはネットの歴史的な資料としてデータを保護するべきという運動が起こった。TwitterやSpotifyによる買収も噂されたが、経営を見直してコスト削減を実行。VimeoのCEOだったKerry Trainor氏がCEOに就任し、サブスクリプション型の課金モデルを導入してから改善に向かっている。