XFLAGは、1月26・27日に幕張メッセで開催された「闘会議2019」内において「モンストジュニアグランプリ2019」を開催した。

モンストジュニアグランプリは、モンスターストライクのeスポーツイベント初となる「18歳未満、および18歳の高校生」を対象とした大会。プロ大会を含めたほかのモンストグランプリと同様に、『モンスターストライク スタジアム』を使用したチーム戦が繰り広げられる。闘会議に先立って、1月初旬に関西予選と関東予選が行われており、予選を勝ち抜いた各4チーム、計8チームが、幕張メッセの舞台に立った。

プロさながらの実力を示したジュニアプレイヤーたち

決勝大会のトーナメントは、当日行われたタイムアタックRoundの結果をもとに、組み合わせを決定。通過順位1位と8位、2位と7位、3位と6位、4位と5位が初戦で争うことで、タイムアタックのRound上位チームがいきなり対戦しないようになっている。

タイムアタックRoundでは、いずれのチームもプロさながらのクリアタイムを叩きだし、ジュニア大会といえど、レベルの高さを示す結果になった。そして、そのハイレベルな戦いを経て、「次世代BOX」と「寝るのは甘え。(以下、寝るのは甘え)」の2チームが決勝まで勝ち進んだ。

ジュニアグランプリとはいえ、本グランプリ出場者に劣らない実力の持ち主が集まった
観客席は超満員で、見事なショットが決まるたびに、バルーンを叩いたり、歓声をあげたりと、大きな盛り上がりを見せていた

多くの観客が見守るなかで、いよいよ決勝戦がスタート。大舞台でもノーミスでステージクリアしていく「次世代BOX」に対して、「寝るのは甘え」はちょっとしたミスが積み重なり、徐々に差を広げられてしまう。後半「次世代BOX」もミスが目立ち始めるものの、「寝るのは甘え」がそのチャンスを生かせず、結局「寝るのは甘え」がボスステージに到達する前に、「次世代BOX」がフィニッシュして優勝に王手をかける。

2戦目は「寝るのは甘え」が、2ステージ連続で雑魚敵の処理に手間取り、序盤で1ステージ分の差が開いてしまう。「次世代BOX」もボスステージで雑魚敵の処理に苦しむものの、差が埋まることはなく、「次世代BOX」が連勝で優勝を決めた。

優勝した「次世代BOX」。試合後の優勝者インタビューでは、「勝てて良かった。応援してくれて嬉しかった」(ぷんつか選手)、「巻き返して、優勝できて良かった」(じじのけ選手)、「このメンバーで勝てて良かった」(やまにぃ選手)、「思った以上にレベルが高かったが、全勝できて良かった」(Yoh選手)と、それぞれが喜びを表した
準優勝の「寝るのは甘え。」

若き選手たちの躍動がeスポーツの裾野を広げる

優勝チームには、ゴールドメダルと『モンスターストライク』のゲーム内で使える優勝者オリジナルの称号、国内外からセレクトされた旅行パック、8つのプロチームから1チームを指名して対戦する挑戦権の4つが贈られる。

挑戦権では、モンストグランプリ2018、モンストプロツアー2018の優勝チーム「今池壁ドンズα」を指名。同郷ということもあるかもしれないが、最強チームに挑戦するところは、もはやジュニア大会の優勝チームというよりは、グランプリのライバルチームとしてとらえているようにも感じた。

優勝賞品は国内外の旅行。パスポートを取るのが面倒なので、リーダー権限で国内旅行にすると宣言したじじのけ選手(写真左から2番目)
指名された「今池壁ドンズα」のそふぁ。選手。台湾で開催中のゲームショウに参加している、なんとかキララEL選手からの手紙を読み上げる。内容は「挑戦を受けて立つ」というものだった

人前でのプレイは想像以上に緊張するものであり、プロですら思わぬミスが出てしまうものだ。ましてや高校生が初の大舞台に立ったとなれば、そのプレッシャーは計り知れない。そのような環境のなかで、高いパフォーマンスを見せてくれた選手には、称賛以外の何物でもないだろう。

特に、「次世代BOX」のメンバーは高校3年生。この春、高校を卒業すれば、モンストグランプリの出場資格を得ることができる。実際に「ジュニアグランプリに優勝し、18歳以上が参加できるモンストグランプリにも出場して、優勝したい」と語っており、モンスターストライク界に新風が起こりそうな予感がした。

今回、初となるジュニアグランプリだったが、多くの高校生、中学生が参加し、優勝目指して熱い戦いを繰り広げた。eスポーツというと、高額賞金やプロなどの話が中心となりがちだが、アマチュアや学生を中心とした大会が盛り上がってこそ、裾野が広がっていくというものだ。

今後、ジュニアグランプリが第2回、第3回と続いて定着していけば、プロチームに憧れて参加した「次世代BOX」と同様に、彼らの後輩が「次世代BOX」と同じ舞台に立つことを目指して参加するようにもなるだろう。まさに“次世代”選手の活躍を目の当たりにして、この先もモンストグランプリやeスポーツの盛り上がりを予感した大会だったといえよう。

(岡安学)