• TE-D01dを装着するモデルの夏目志乃さん

日本のイヤホンブランド「AVIOT(アビオット)」から、新しく3つのワイヤレスイヤホンが発売されます。今回は1万円台周辺に魅力的な製品が集まりました。同社の製品を取り扱うバリュートレードが開催した発表会で明らかにされた製品情報と、各モデルの試聴インプレッションをお届けします。

思わず息を呑む解像度、スタンダードモデル「TE-D01d」

最初に紹介するのは、左右の本体が独立した完全ワイヤレスイヤホン「TE-D01d」です。完全ワイヤレスイヤホンといえば、アップルの「AirPods」がたびたび話題になっていますが、TE-D01dはAirPodsより安い価格(TE-D01dは税別12,000円、AirPodsは税別16,800円)を実現しながら、音質にも妥協しないコストパフォーマンス抜群のイヤホンです。発売日は2月9日で、カラバリはブラック、ダークルージュとネイビーの3色となります。

  • TE-D01dのネイビーとダークルージュは、ツヤっぽい塗装に仕上がっています。写真はネイビー

  • TE-D01dのカラバリは3色。写真左から、ブラック、ダークルージュ、ネイビーです

高音質の秘密は、カーボンナノマテリアルの「グラフェン」を振動板に使った6mm口径のダイナミック型ドライバーに詰まっています。グラフェンを使うことによって、イヤホンの振動板は硬さを増し、入力された音楽信号に対して正確なレスポンスを返せるようになります。Google Pixel 3 XLのaptXコーデックで接続して聴いたTE-D01dのサウンドは、中高域のディティールに富んだ柔らかなタッチが特徴的でした。低音は音像がブレずに明瞭な輪郭を描きます。全体で透明感が高く、音場が広く見晴らせます。ボーカルの存在感が驚くほど近くまで迫ってきて、思わず息を呑んでしまいました。

  • Google Pixel 3 XLと組み合わせて、ptXコーデックによるサウンドを聴いてみました

  • ドライバーの振動板には、カーボンナノマテリアルであるグラフェンを採用しています

AVIOTのイヤホンで、振動板にグラフェンが使われるのはこれが初めてではありません。バリュートレードが2018年に発売した完全ワイヤレスイヤホン「TE-D01b」でも、グラフェンを採用しており、そのとき培ったノウハウを元に、ブラッシュアップを図っています。グラフェンを振動板に塗布するところで微妙な調整ができるそうで、「TE-D01dのイヤホンとしての素性に合わせて、マテリアルをチューニングしている」とバリュートレードの担当者は話します。TE-D01bとの主な違いは、低域がより豊かになったことです。

Bluetoothイヤホンにはワイヤレスオーディオレシーバーに加えて、DSP(デジタル信号処理回路)やAD/DAコンバーター、アンプを統合したシステムICチップが必要です。TE-D01dには、処理精度と音質のよさに定評があるクアルコムのICチップ「QCC3026」が搭載されています。そのおかげで、Bluetoothオーディオの高音質コーデックであるaptXをサポートしているのです。

  • クアルコムのオーディオ用SoC(システムオンチップ)であるQCC3026を採用

完全ワイヤレスイヤホンは通常、左右のどちらかがスマホやオーディオプレーヤーと接続し、音楽信号を左右に振り分ける「マスター(親機)」として機能するため、親機はより多くの電力を消費します。TE-D01dは、イヤホン本体のバッテリー残量に応じて、左右に親機としての役割を振り分ける「ロールスワッピング機能」に対応しているので、イヤホンだけで最大9時間の連続再生を実現しています。

TE-D01dの専用ケースは、1,800mAhの大容量バッテリーを搭載しています。ケースのバッテリーでイヤホンを充電しながら使えば、100時間以上(AAC/SBC再生時)の音楽リスニングが可能。これなら数日、使い方によっては1週間以上もケースを充電しなくて済みそうですね。ケースは約2時間でフル充電にできます。また、ケースには充電用のUSB microB端子のほか、USB Type-A端子を備えており、こちらにスマホを接続すれば、モバイルバッテリーとして活用できます。

  • USB Type-A端子から電源を供給。パワーバンクとしても使えます

イヤホンは、左右の側面にリモコンボタンを搭載。音楽の再生・一時停止に曲送り、音量のアップダウンから音声アシスタントの起動、ハンズフリーコールの操作まで、オールラウンドに対応しています。ボタン操作のレスポンスはとても良好でした。

TE-D01dは、美しい塗装にもこだわったイヤホンです。IPX4の防水性能を備えているので、屋外で使うときも急な雨や汗濡れを気にせず、音楽に没入できます。

  • 「見た目」にこだわるユーザーにもささる製品となっています

本体にcVcノイズキャンセレーション回路も搭載し、音声通話時に自分の声をクリアに相手へ届けることが可能。通常はモノラルになることの多い音声通話ですが、TE-D01dはAirPodsと同じく両耳でモニタリングできます。ボイスガイドは日本語で、イヤホンの電源操作、バッテリーが減ったときなどに、日本語でガイダンスが流れる仕様としています。なにより、音声ガイドには声優の伊藤あすかさんを起用しているのです!

AirPodsとの決定的な違いですが、TE-D01dは密閉型のハウジングなので、地下鉄やバスの中、騒がしいカフェなどの屋外で音楽を聴きたいとき、高い遮音性を得られることです。ロックやEDMの低音をがっつり味わいたいときには、TE-D01dのような密閉性の高いイヤホンが重宝されると思います。すでにAirPodsを持っている人も、より深く音楽リスニングにのめり込みたいときの「2台目イヤホン」として、TE-D01dを試してみてはいかがでしょうか。

1万円を切った完全ワイヤレスイヤホンの実力派、「TE-D01e」

もう一つの完全ワイヤレスイヤホン「TE-D01e」は、AVIOTにおける門機です。9,241円(税別)という価格設定にも注目。使い方がシンプルで、音質にもこだわっています。カラバリはブラックとパールホワイト。2月9日にAVIOTのオンラインストア限定で発売されます。

  • アンダー1万円の実力機「TE-D01e」

TE-D01eには、クアルコムのBluetoothオーディオ用ICチップ「QCC3020」が搭載されています。バッテリー残量に応じて、左右イヤホンの親機をスイッチさせるロールスワッピング機能に対応するほか、高性能なDSPによって、音楽ソースが持っている魅力を効率よく引き出します。

駆動時の消費電力を最適化し、最大7時間の音楽再生が可能です。BluetoothのオーディオコーデックはTE-D01dと同じく、aptX/AAC/SBCに対応。新設計のアンテナによって、左右イヤホン間での音切れ発生を抑えています。

TE-D01eも、振動板にグラフェンを使った6mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載しています。マテリアルのチューニングを変え、TE-D01dとも異なるTE-D01eならではの音作りを徹底しました。

TE-D01eをGoogle Pixel 3 XLにつないで試してみました。サイズ感からイメージできないほどエネルギッシュな音で、広々とした音場を描けるイヤホンです。むやみな味付けがなく、特にボーカルや楽器の音をとても素直に再現してくれます。これなら長時間のリスニングも聴き疲れしなそうです。

イヤホン本体はIPX4の防水性能を備えます。300mAhのバッテリーを内蔵したケースは、最大約2時間でフル充電にできます。日本語ボイスガイドも搭載。両耳での通話モニタリングや、クリアな音声通話もサポートしました。

音質・装着感・機能性、三拍子そろったワイヤレスイヤホン「WE-D01c」

左右の本体をケーブルでつなぐスタイルのワイヤレスイヤホンには、エントリーモデルの「WE-D01c」が加わりました。発売は2月1日で、カラバリはブラックとネイビー、ホワイトの3色。価格は4,611円(税別)で、ワイヤレスイヤホンのビギナーにも嬉しいお手頃価格を実現した、AVIOTのオンラインストア限定販売モデルです。

  • 左右イヤホン間をケーブルでつなぐワイヤレスイヤホン「WE-D01c」

剛性の高いアルミニウム製ハウジングに、6mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載。Bluetoothのオーディオコーデックは、5,000円を切る価格帯のワイヤレスイヤホンとしては珍しく、SBCからAAC、aptXまで幅広くサポートしています。本体の防水性能はIPX7。夏に屋外で汗をかいたあとは、水で洗って汚れをきれいに落とせます。内蔵バッテリーによる連続再生時間は約6時間です。

WE-D01cもaptX接続に対応しているので、Google Pixel 3 XLにつないで聴いてみました。アルミハウジングのイヤホンらしい煌びやかなサウンドです。5,000円クラスのワイヤレスイヤホンではなかなか出会えない中高域の鋭い切れ味と、甘くリッチな余韻の響きが楽しめました。クラシックピアノやしっとりとした女性ボーカル中心の楽曲にとてもよく合います。

本体は身につけていることを忘れてしまうほど軽量。スポーツシーンでワイヤレスイヤホンを使ったことがない人はぜひ、WE-D01cを試してみることをおすすめします。

AVIOTの製品はすべて、長時間にわたって心地よい音楽リスニングを楽しめるよう、特定の帯域を強調せず、バランスのよい音作りを徹底しているそうです。バリュートレードの代表取締役社長 土山裕和氏は、AVIOTのコンセプトを「日本人による日本人のためのオーディオ」と定義し、ほかにない特徴としてアピールしています。土山氏は「AVIOTの認知は急速に広がりつつあります。2019年も積極的にラインナップを増やして、競争が激化するワイヤレスイヤホン市場に一石を投じたいと考えています。結果として、音楽ファンに魅力的なイヤホンの選択肢を数多く提案できるはず」と、期待を込めて語っていました。近々また、新しい製品発表もありそう。AVIOTの動向に今後も要注目です。

  • バリュートレードの土山氏