Microsoftが米国時間2019年1月24日にリリースしたWindows 10 Insider Preview ビルド18323において、UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリの「メール」でダークモードをサポートした。
以前からWindows 10では、UI周りにダークモードをサポートしていたが、メール本文を表示するペインは背景が白色のままで、中途半端な状態だった。同社はかねてより、米国のIT系メディアに、メール&カレンダーのUIを改良する計画があると伝えていたが、今回のダークモードもその1つである。
うわさレベルではコンテキストメニューから、アクティブなメールアカウントを切り替える機能も加わるという話も出ているが、昨今のMicrosoftによる"ダークモード推し"はとどまるところを知らない。下図はVisual Studio 2019 Previewだが、Office 365など各種製品でダークモードをサポートしてきた。
黒系の背景色に白色系の文字色で文章を読むことに、健康的意義があるのか否か結論は出ていない。ただ、直近の議論でダークモードは「眼球やデバイスのバッテリーに優しい」という意見が主流になりつつある。また、一般的な液晶ディスプレイや有機ELディスプレイで白色系背景色を使用すると、バッテリー消費が早まるという。
この意見に対する賛否について言及は避けるが、筆者も毎日使用するテキストエディターの背景色は黒系色であり、Webブラウザーにも「Dark Reader」をインストールして、背景色の強制変更を行っている。
ひとえにダークモードが開発者や一部のユーザーに強く好まれるのは、MS-DOSやLinuxのシンプルさにあるのだろう。当時のMS-DOSは、ANSIエスケープシーケンスを使って文字色を変更するなど、配色を施すことで自身の使い勝手を向上させていた。
GUIになった現在もリボン上のボタンや記述する文章、もしくはコードに集中するためには、不用なUIが目に入りにくいダークモードが有用である。
ただしMicrosoftはダークモードだけにこだわらず、ライトテーマの改善も重ねている。ビルド18282から追加したライトテーマに関する不具合を最新ビルドで修正した。
バージョン1903(19H1)リリース後のWindows 10は、利用者の好みに応じてダークモードとライトモードを選択できる。筆者は引き続きダークモードを使い続けるが、ユーザーの選択肢が広がるのは歓迎だ。
阿久津良和(Cactus)