Microsoftが米国時間2019年1月16日にリリースしたWindows 10 Insider Preview ビルド18317で検索機能とCortanaの分離を表明したが、これは正確ではない。前ビルドであるビルド18312.1007(同年1月9日リリースのビルド18312に、同月15日リリースのKB4487181を適用)で、検索とCortanaはすでに分離していたからだ。

  • ビルド18312.1007のデスクトップ。ご覧のとおり、検索とCortanaは分離している

もちろん、内部的な処理が加わった可能性もあるが、公式ブログの説明にもあるとおり、「設定」の項目やグループポリシー設定の整理といった後処理を終えたのが、ビルド18317なのだろう。

さて、鳴り物入りで登場したCortanaだが、最近は影を潜めている印象を持つ。Cortana対応スマートスピーカーであるHarman Kardon Invoke speakerを日本市場へ投入するという声は聞こえず、Cortana推しだったWindows 10 Mobileデバイスの状況はご承知のとおりである。

日本市場を見回すと、ソニーのノイズキャンセリング付きのワイヤレスヘッドホンがAmazon Alexaに対応した。ちなみにGoogleアシスタントは以前から対応済みである。

  • Amazon Alexaで選択可能になったWH-1000XM3

Cortanaを使うのであれば、間もなく日本でも発売されるSurface Headphonesという選択肢があるものの、筆者はすでにWH-1000XM3を利用している。自宅でCortanaを使うためといってもさらなる投資は少々きびしい。

筆者に二の足を踏ませるのが、日本におけるCortanaのスキル(機能)だ。Office 365の予定をリマインドするのは便利だが、Cortanaで受け取る必要はない。GPSによる位置情報を取得して、スマートフォンへ通知を行うリマインド機能も便利だが、Cortanaに話しかけるのであれば、Wunderlist(もしくはMicrosoft To-Do)にタスクを作成した方が簡単だ。

  • 2019年1月末に日本市場で販売を始めるSurface Headphones

以前、MicrosoftのCortana担当プロダクトマネージャーが語っていたCortanaの役割は、「パーソナルデジタルアシスタント」だ。MicrosoftによるCortanaのスキルページを見ると、「ピザの注文」や「照明の制御」などが可能だという。

これらのスキルMicrosoft単独ではなくピザ屋やサードパーティーが、カスタムスキルの作成などに用いるCortanaスキルキットを選択するか否かという問題もあるため、一概にMicrosoftを責めるわけにもいかない。

だが、Cortana経由の外部サービスを日本国内で使えるかと問われれば、筆者は寡聞にして知らないと返すしかないのが現状だ。

Microsoftは今回の分離に関して、「ランディングページのデザイン更新や、検索結果の向上、Microsoft To-DoとCortanaの統合など、検索に関するユーザー体験を向上させるための変更」と説明している。

この発言に異論はない。特にMicrosoft To-Doはバージョンアップを重ねて、タスクの繰り返しにも対応した。筆者もWunderlistからの移行タイミングを図っている最中なだけに統合は歓迎したい(だが、iCAL出力に未対応なため、まだ使い勝手はWunderlistに追いついていない)。

ビジネス利用者がCortanaを使用せず、UI分離を求めるフィードバックがあったからこそ、今回の施策に至ったことは理解している。だが、Cortanaの分離は、Cortanaの普及を阻害する一因にならないだろうか。

筆者はCortanaを「やればできる子」と思っているが、Windows 10 バージョン1511から数えると、日本でデビューしてもう3年が経つ。そろそろ"Cortanaさん"には本気を出してほしいものだ。

阿久津良和(Cactus)