ソフトバンクは1月30日から「iPhone XR ハッピープライスキャンペーン」と銘打った、機種代金の割引キャンペーンを実施する。2019年に入り「米AppleのiPhone売上減少」の観測が相次いでおり、今回のキャンペーンもその話題と無関係ではなさそうだ。

内容は、iPhone XRを購入し、通話基本プランの2年契約、2年契約(フリープラン)、またはハートフレンド割引(通話基本プラン)に加入したユーザーを対象に、iPhone XRの機種代金から1万800円を割引するというもの。昨年、実質的に8000円程度の値下げを行うと発表したNTTドコモに続いて、ソフトバンクもiPhone XRの値下げキャンペーンを実施する形だ。

実はこのような値下げの流れは、日本だけに限った話ではない。北米市場では、Appleからのバックリベートを原資にしたとみられる「iPhone XRの割引販売」などの施策が続いている。新型iPhoneが高価格化したことで、販売が伸び悩む姿が鮮明になってきた。

そんな、売れ行き不振の影響が、日本でも表面化してきたのだろうか。ソフトバンクの広報担当者は、今回のキャンペーンを実施するに至った背景を、「販売戦略上、さまざまな検討をした結果実施することにしました」と説明している。

もちろん仮に、販売不振が原因で値下げをせざるを得ない状況があるとしても、それを表立って言うことは難しいだろうが、「売れすぎて品薄状態が続いている」のであれば、あえて値下げに踏み切る必要がないことも事実だ。

しかし、1万円の値下げされると言っても、iPhone XRはユーザーにとって「それでも決して安くはない買い物」であることは間違いない。64GBモデルの本体価格がやっと10万円以下になるという水準だ。

また、純粋な価格面だけでなく、新型iPhoneの販売不振の背景には、「中国製品の台頭による、iPhoneの相対的な影響力低下」や「現行iPhoneユーザーが抱く新機種への期待値を超えられなかったこと」なども挙げられるだろう。ともすると、値下げだけでこの現状を打破するのは、少し難しいかもしれない。

(安川幸利)