立教大学は1月22日、AI(人工知能)に特化した大学院「人工知能科学研究科」(修士課程)を2020年4月に開設すると発表した。

アメリカや中国がAI研究開発において世界的な拠点となりつつある一方で、日本国内ではAI・データサイエンスに携わる人材が不足しており、特にAI人材育成の国内の教育機関による取り組みを俯瞰すると、数カ月間の短期的な講座や、研究室単位での部分的な取り組みに留まっているのが現状だと指摘。

同大が開設する人工知能科学研究科では、機械学習やディープラーニング(深層学習)を中心としたAI領域について学習・研究できるカリキュラムの設置や文理融合型プロジェクトを推進し、各界を代表する企業等との産学連携による社会実装にも積極的に取り組む環境を設ける。

2020年4月の開設を目指し、募集定員63人、所属キャンパスは池袋キャンパス、教員9人、開講形式は昼夜開講(平日6時限+土曜日)を中心とし、選考方法は4月下旬以降に公表を予定している。

研究科の主な特徴としては「機械学習・ディープラーニングの本格的な学習」「『社会科学×AI』による革新的な研究と人材育成」「産学連携による「社会実装」プログラムの充実」「昼夜開講形式で、社会人も学びやすい環境」の4点を挙げている。

AIの活用にあたっては、「ELSI」(Ethical, Legal, and Social Implications=倫理的、法的、社会的諸問題)に十分な配慮が求められることから、AIにかかわるELSIを重点分野と捉え、AIの倫理を専門とする教員を配置し、AI ELSIを学ぶ科目を1年次必修とする。

科目は、機械学習やディープラーニング(深層学習)など、人工知能・データサイエンス分野の「知の体系」を修得する科目を設置し、企業の先端的なAI開発・事業開拓を授業内容に取り込み、社会での実践的な力を養成する科目(プロジェクトチーム実習)を充実させるという。

基幹科目は、データサイエンス概論/機械学習/人工知能概論/深層学習/先端科学技術の倫理/統計モデリングI/複雑ネットワーク科学、基礎科目は情報科学概論/数理科学概論/社会情報科学概論/意思決定の科学/計算機科学概論/人工知能の哲学、応用科目はAIビジネス特論/自然言語処理特論/人工知能社会実装/認識技術特論/脳神経科学特論/統計モデリングII/量子情報特論。

演習・実習科目は、Pythonプログラミング/機械学習演習I/機械学習演習II/深層学習演習I/深層学習演習II/社会モデリング演習/輪講I/輪講II/データサイエンス実習、研究指導科目はプロジェクトチーム実習I/プロジェクトチーム実習II/特別研究I/特別研究II/特別研究III/修士論文指導演習となる。輩出する人材のモデルはAIサイエンティスト、AIエンジニア、AIプランナー、AIプロデューサーを想定している。今後は、全学部学生にもAIを学ぶことができる環境を整え、研究者養成のため博士課程を設置することも目指す考えだ。