タブレットを使って子どもに絵本を読み聞かせる人が増えています。電子書店では、子ども向けの絵本もたくさん販売されています。特に洋書絵本は、子どもの英語教育のためにもとてもありがたい存在。今回は、電子で絵本を読む楽しさについてお伝えします。
絵本を電子書籍で読むメリット
絵本を電子書籍で読むことを意外に感じる人もいます。子どもには紙の本で読み聞かせをするものだ、というイメージがあるのでしょう。けれど少し大きめのスマホやタブレットで絵本を見せると、子どもはとても喜んで読んでくれるし、自分でページをめくりたがります。
電子書籍のよい点は、子どもが何度ページをめくっても折れず、汚れることもないこと。そして子どもが飽きたとき、すぐに別の絵本を見せられるので、長時間の移動で絵本を何冊も持ち歩く必要がないところです。
日本語の絵本でオススメの電子書店
実をいうと日本語の絵本は、まだあまり電子書籍化が進んでいません。たとえばAmazonのKindleストアをのぞいても、無料絵本はわずか10冊ほどしかないのです。最近になって昔の絵本の復刻版など、有料の電子書籍は数がそろってきて、約2,380冊にまで増えました。そのうち1,779冊は、月額980円(税込)の有料読み放題サービス「Kindle Unlimited」で読めるので、登録するとかなりの絵本が楽しめそうです。
日本語の絵本は電子書籍が少ないと述べましたが、その中で努力しているのが楽天Kobo電子書籍ストア。完全無料でいろいろな絵本を読みたいとき、強い味方になってくれます。絵本・児童書の数は7,919冊で、そのうち無料のものが562冊もあります。楽天Kobo電子書籍ストアで無料絵本の数が多いのは、誰でも電子書籍の作成・販売ができるWebサイト「パブー」のような電子書店で刊行された、インディーズの絵本も含まれているためでしょう。新刊カレンダーもあるので、今週どんな絵本が電子でリリースされたかチェックしやすくなっているのもメリットです。
このほか日本語の絵本が無料で読める電子書店でオススメなのは「絵本ナビ」。なんといっても絵本ナビに会員登録した人は、2,000冊以上の絵本を無料で読めます。ただし、読めるのは1度だけ。紙の本として出版されている絵本の試し読みをするために作られたWebサイトなので、読んで気に入ったら紙で購入するしかないのですが、どんな内容かを購入前に知りたいときにとても助かります。絵本の適正年齢も、0歳向けから12歳向けまでと細かく分かれているので、自分の子どもの年齢に合わせた絵本を探しやすくなっています。
洋書絵本のオススメ電子書店
日本では手に入りにくい洋書も、ダウンロードしてすぐ読める便利さは電子書籍ならではのもの。洋書絵本を大量に取りそろえているのは、Kindleストアと楽天Kobo電子書籍ストアです。Kindleストアで洋書のChildren's Booksカテゴリには約5万冊以上、楽天Kobo電子書籍ストアで洋書のKids&Teensカテゴリには約19万冊もの本があり、洋書の絵本もたくさんあります。このうち完全無料なのはKindleストアで1,689冊、楽天Kobo電子書籍ストアで6,077冊。ちなみに有料のKindle Unlimitedに加入すれば、Kindleストアで洋書のKids&Teensカテゴリにある5万冊以上の本が読み放題となります。
このほか洋書の絵本を読める電子書店でオススメなのは「Lepton Reading FARM」。月額980円(税別)かかりますが、最初の1カ月は無料なので、ぜひ試してほしいところ。アメリカの小学校で広く使われている、ホートン・ミフリン・ハーコート社の教科書1,000冊が無料で読めます。音声朗読機能もあるため、ヒアリング学習にもなります。知らず知らずのうちに、長い文章を読みこなす力がついてくるでしょう。
洋書絵本は写真や挿絵がダイナミックで、昆虫や宇宙などの科学絵本や、偉人伝など歴史読み物も多く、子どもだけでなく大人も興味を持って読める内容のものがたくさん。数多く出版されている英語絵本の中から、まだ邦訳されていない優れた本に出会えたときは、広い世界とつながったかのような、グローバルな感動を味わえるはず。
次回は、私がオススメする電子読書リーダーについてお話します。
■著者プロフィール : 内藤みか
山梨県出身・慶應義塾大学文学部卒(通信課程)・日本文芸家クラブ理事。著書80冊以上。2000年代にケータイ小説サイトでランキング1位を連発し、ケータイ小説の女王という異名を取る。脚本を担当したラジオドラマ『婚活バスは、ふるさとへ』(YBS)が文化庁芸術祭優秀賞受賞。『夢をかなえるツイッター』などSNS系への関心も強い。
近著は『数学しかできない息子が早慶国立大学に合格した話』(ぶんか社)、『無料も読み放題も! 使いこなせる電子書籍生活』など。