「コンパス」アプリを起動してみたものの、表示された方位が明らかに誤っていたのですね? このトラブル、実はそれほど珍しくありません。屋内、とくに電波を通しにくいコンクリート造の建物にいるときには、正確でない方位を指すことはよくあります。

この「コンパス」アプリは、iPhoneに内蔵の磁気センサーにより方位を検出します(電子コンパス機能)。この機能は「マップ」など方位を把握する必要があるアプリに利用され、自分が向いている方角を表示したり、進行方向をつねに上に表示したりといった機能の実現に役立てられています。

しかし、電子コンパスは周囲の影響を受けやすく、結果として誤った方位を示してしまうことがあります。そのために、iOSには電子コンパスのキャリブレーション(調整)機能が用意されており、かんたんな方法で正しい方位に戻せます。

まず、iPhoneを片手でつかみます。そしてときどきヒネリをくわえながら(上下を逆転させながら)、数字の「8」を書くつもりで持ち手をゆっくり動かします。事前準備は必要なし、「コンパス」アプリを起動する必要もなければロック解除する必要もありません。この作業を2、3回繰り返したあとに「コンパス」アプリを起動すると、おそらく正しい方位を指していることでしょう。

なお、「コンパス」アプリにもキャリブレーション機能が内蔵されており、電子コンパスに大きな誤差が生じたときなど一定の条件下で自動的に表示されます。画面に現れた円の周囲を沿うようにボールを動かすジェスチャーを行うと、キャリブレーションが完了するというものですが、この画面を意図的に表示することは困難です。前述した「8」を描くことがキャリブレーションの最短ルートですよ。

  • 電子コンパスがあらぬ方角を指しているときは、キャリブレーションを行いましょう